企業の戦略は本当に必要か?
サステイナビリティ(持続可能性)と言う言葉を聞かない日は
ないほど一般的になってきました。
そして、企業は戦略を持って永続性を考えなければならないと
よく言われています。
持続可能性は、1987年に国連総会で提案されたのが発祥の言葉で、
「企業が事業活動を通じて環境・社会・経済に与える影響を考慮し、長期的な企業戦略を立てていく取組み」という意味合いの言葉です。
という事をふまえて、では企業戦略があった方が企業は長生き出来るのか、どうなのか、まず、うるさいほど戦略が必要と言っているアメリカの
長寿企業を調べてみました。
古いところで、サザビーズの創業は1744年です。
もともと、アメリカは歴史の浅い国なので、長寿の会社はそれほど無いと、高をくくっていましたが、日本ほどではありませんが意外にあるものですね。でも、一番古い会社でも300年はありません。
ここで、世界の創業200年以上の会社数データを見てみます。
圧倒的に日本企業が多いのがわかります。
アメリカなんて日本の足下にも及びません。
日本の一番古い会社は、驚くなかれ1400年以上の歴史があります。
ギネス記録で世界の長寿の会社ベスト3は日本の会社です。
一番古い「金剛組」という会社は、聖徳太子が四天王寺を建立した
時に出来た会社だそうです。
会社概要によると、創業は「飛鳥時代第30代敏達天皇7年(西暦578年)」
とのことです。
企業戦略の重要性を説いていたアメリカでも、大した歴史はありません。
日本の会社は戦略が無いという話しをよく聞きますが、リーマンブラザース、ワールドコム、デルタ航空、デルファイなど、そうそうたるアメリカの大企業が破綻しているのをみると、果たして戦略はないほう良いのかという気もしてきます。
金剛組が戦略がなかったような言い方をしましたが、HPを見る限りにおいては立派な会社の思想があります。
「金剛組には専属の宮大工によって結成する「匠会」という職人集団が存在しています。金剛組が、1400年余りの間、弟子から弟子へと伝えてきた技を、さらに次の世代に伝えること。これが、匠会の最大の目的です。」
とあるように、宮大工の技を後世に伝えるという熱き想い(哲学)が、この会社には脈々とながれています。「戦略」という言い方よりも立派なこと
かもしれません。
日頃私も仕事上、戦略、戦略といっていますが、何十年か後になって
「戦略なんていわない会社の方が長生きだった」という結論がでたら
どうしましょうか?
そんな事を考える、今日この頃です。