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無難の流儀(仕事・服装編)

巷には、“人と違う”“差別化戦略”による出世の方法などが声高に叫ばれている。

しかし私は、それに異を唱えたい。

“無難”こそが、出世の鍵であると。

これは、大企業の役員クラスなどのいわゆる“出世した人”と出会う機会が多かった私が、彼らを隈なく観察して導いた結論だ。

出世したい人は、まずは自分のこだわりを捨てて、“無難”になることをオススメする。

では、“無難”な人は一体どのような服装、外見をしているのだろうか。

ここでは、“無難”な人の服装の特徴と、なぜ出世につながるか、その推察を書き記しておく。

<スーツ>

デパートのスーツ売り場や紳士服店で、一番目立つ位置に置いてある既製品、黒に限る。

小さいドット柄など、おしゃれ風・個性的だと思われるものは絶対に買わない。

<ワイシャツ>

白に限る。

ストライプやピンク、イエローなどのワイシャツは絶対にNGだ。

<ネクタイ>

レギュラータイ(一般的な幅。ワイド過ぎず、細過ぎず)は基本中の基本。

色は、青や紺系。無地、あるいは小さめのドットや細かいチェック。

※日本では、“レジメンタル”(斜めのストライプ)がフォーマルに使われているが、海外では特定の大学出身者や学生が着用するものと認識されている。そのため、個人的にはオススメしない。

<メガネ>

色は、シルバーか黒。フレームは細め。形は、楕円形。

周囲を見渡して欲しい。「ちょっと変わってるよね」と言われる人ほど、白や緑のフレーム、あるいは花柄などのメガネをしている。

<ベルト>

こちらもデパートで購入した黒革、バックルはシルバー。

一目で高級ブランド品と分かるようなもの、バックルにデカデカとブランドのロゴが入ったベルトは絶対にNG。

<靴下>

黒、無地。

黒と濃紺のチェックなどが好ましい。ワンポイントなどの遊び心は無駄。

<靴>

黒、濃いブラウン。形は、プレーントゥ。

つま先がやたら尖ったものや明るい色のおしゃれ靴は、目立つためNG。

<カバン>

黒に限る。A4サイズの書類、封筒を折り曲げずに入れることが出来るもの。

ショルダータイプ。肩から下げられるタイプのバッグを薦める。

なぜか。両手が空くことによって、上司がもらった資料や手土産を代わりに持ち帰るなど、気が利くアピールに有効だ。

<時計>

見るからに安そうな時計でも困るが、あまりにも高い時計はNG。価格帯は、3万〜10万程度。

ボーナスが出ると高級時計を買う人は多いと聞くが、上司よりも良い時計をするのはリスクが高い。

上司は、鬼嫁に財布を握られているかもしれないし、家計のために我慢を強いられているかもしれない。上司の心に波風立てさせるようなことをわざわざする必要はないのだ。

<まとめ>

ここまで、“無難”な人の服装について見てきた。では、なぜこういった格好をする“無難”な人が好まれ、出世のチャンスを引き寄せるのだろうか。

会社員をしていると、社内や取引先から訃報を受け、急遽お葬式が入るということがけっこう頻繁にある。また、予期せぬトラブルで、クライアントのところに謝罪をしにいかなければ行けないこともある。

「俺の代わりに通夜に行ってくれないか?」

「一緒に謝罪に行くぞ」

そんな時。鮮やかなグレーのスーツ、ピンクのワイシャツを着ている人間に依頼するだろうか。答えは、Noだ。

黒いネクタイというのは、お葬式の斎場でも販売しているが、ワイシャツは売っていない。だから、黒いスーツに白いワイシャツを着ていれば、どうにでもなるのだ。

上記のような装いの “無難”な人間は、「アイツに頼もう」の“アイツ”になれるのだ。

その積み重ねが、上司に安定感を与える。

会社員として生きて行く上では、“当たる時は当たるけど、ハズレる時はハズレるヤツ”より、“いつも安定しているヤツ”の方が、圧倒的に評価は高い。

前者は、起業家としては成功するかもしれないが、会社員としては評価されにくいのが現状だ。

出世したいと願う人間には、いつも以下のように考えていてほしい。

「今日、俺は葬式に行けるか?」と。


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