図1

コロナウィルスの影響で減少した訪日外国人はいつ戻ってくるのか?

先週3月6日(金)に個人的には衝撃的なニュースが飛び込んできました。(当たり前といえば当たり前ではあるのですが。)

2月訪日外客数が激減100万人下回る 

出入国在留管理庁は6日の衆院国土交通委員会で、今年2月の外国人全体の新規入国者数が100万人を下回り、昨年2月の237万人から激減したことを明らかにした。中国人に限ると6万人を下回り、昨年の10分の1程度となった。 外国人全体を1日当たりで見ると3万5千人で、昨年の8万5千人から大きく落ち込んだ。新型コロナウイルスの感染が拡大した2月27日から3月4日の1週間では、1日当たり1万人強となっており、減速が加速しているという。

月間で100万人を下回るというのは、インバウンド業界に身を置いている人からすると結構衝撃的な数字でして、いつまでさかのぼるのか調べてみると、2013年7月でした。

さらに直近1週間の訪日数は1日1万人程度ということで、3月は月間で30万人台の可能性が高い状況です。過去30万人台はいつだったのかとさかのぼると、2011年3月、つまり東日本大震災の時期でした。

直近の月間訪日外国人数推移を纏めるとこんなイメージです。衝撃的ですね。。。

図2

東日本大震災時の水準まで落ち込む確率が高い訪日外国人数。連日、世界中で加熱する報道でテンションが落ちている方もいる中、取引先の方からこんなメールを頂きました。

現在の新型コロナウイルスによる影響で、2020年は夏ぐらいから冬にかけて、現在の反動で訪日観光客が増加すると想定しています。これはSARSの時も、新型豚インフルの時も、大震災でも、同じように反動がきています。

毎日テンションの上がらない状況下の中、ポジティブな見解を頂いたので、過去の状況を調べてみました。

まずは、大前提の訪日外国人数推移を年別で。

図1

過去20年で調べてみると、訪日外国人数が減少・停滞したタイミングは3回ありました。2003年、2009年、2011年です。

1.2003年 SARS発生 2002年12月~2003年5月頃

SARS時期

SARSは、2002年12月に発生し2003年5月頃に終息を迎えたと言われており、終息宣言直後から急速に訪日外国人数は回復し、2003年7-8月頃には元の数字を上回る水準まで戻っております。

SARS発生から7~8か月程度で元の水準まで回復

2.2009年 リーマンショック発生 2008年9月~

リーマンショック

リーマンショックは、2008年9月に発生しその後しばらく不景気が続いたが、海外旅行は贅沢消費で景気が悪くなると真っ先に減少するものであるため発生から緩やかに減少。(発生翌月の2008年10月に増加している理由は不明。。既にチケット買っててとりあえず来たのかもしれない。) 7ヶ月後の2009年4月(花見の時期)に元の水準に近い数字まで回復し、1年後の2009年8月には、元の数字を上回る水準まで戻っております。

リーマンショック発生から、半年~1年程度で元の水準まで回復

3. 2011年 東日本大震災発生 2011年3月~

大震災1

東日本大震災は、皆さんがご存知の通り2011年3月に発生し、その後しばらく余震の発生による危険な状態の継続、福島原発に絡むネガティブな情報拡散などで、訪日旅行者は激減した。2011年3月は前月比で約5割まで落ち込み、2011年4月はさらに減少。

しかし、震災発生から2ヶ月後の2011年5月からは緩やかに訪日数は戻り始め、4ヶ月後の2011年7月には震災発生前の8割の水準まで回復している。震災発生前の訪日数を初めて上回ったのは、10ヶ月後の2012年1月となり、震災発生から元の水準に戻るまで約1年かかっている。

東日本大震災発生から、4ヶ月で8割の水準、10ヶ月で元の水準まで回復

まとめ

今回、SARS・リーマンショック・東日本大震災と3つの事象について過去の傾向を分析してみましたが、もちろん当時と現在では環境があまりに異なるので、全て参考になるわけではありませんが、目安としては良いかと思います。

SARS発生から7~8か月程度で元の水準まで回復
リーマンショック発生から、半年~1年程度で元の水準まで回復
東日本大震災発生から、4ヶ月で8割の水準、10ヶ月で元の水準まで回復

これだけの事象でも実質1年以内には、元の水準に戻っていることは過去の歴史からも見て取れますので、現状を悲観せず耐え忍び、元の状態に戻るのを待ちましょう!!

ポイントはコロナウィルスの終息宣言がいつ出されるかというところだと思っているので、そこは今後も注視していきましょう!

最後まで読んで頂きありがとうございました!!

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