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母親の不調㉕ ~どこまで本当のことを知りたいですか1

2023.7.8(土)

昨日、先生の説明を受けに行きました。
出かける直前に先生から電話があり
「先にご本人抜きで、ご家族様だけで話をさせてください」
と言われました。
その時点で、あー、完全に良くない話なんだな、と確信できました・・。

今回、一人では受け止める自信がなく、とても怖かったので、
ちょうど仕事が休みだった妹と先生の説明を聞きました。

入院当日の5日のCT画像では、右肺に白いすりガラス状の影が
できていたそうです。
影の原因が肺炎の可能性もあったので、抗生物質で治療をしましたが、
当日7日の画像では、白い影が広がっていたそうです。

「先日はお電話で肺炎だと説明しましたが、
これは癌性リンパ管症だと思われますので、ステロイドで治療します」
と説明がありました。

予想していた間質性肺炎ではなく、全く知らない病名が出たことで戸惑いましたが、内容は予想よりもっと悪い話でした。

癌性リンパ管症は、癌から来ている症状なので、
前回の抗がん剤は治療の効果が出ていないという判断になる。
違う抗がん剤に変更することになるが、
問題はがんの進行が予想以上に早いことで、
もし今度の抗がん剤が合わなければ、治療方法はほかにない。

説明されたことがうまく理解できないまま、
「治療方法がないということは、緩和ケアに移るということですか」
と私が尋ねると、先生は

「おそらく、そんな余裕はないと思います。
進行がここまで早くて、次の抗がん剤が効かないとなると、
いつ体調が悪くなってもおかしくありません。
今後どうしたいか、と確認できる余裕なく、
様態が急変して病院でお亡くなりになるということになると思います」
とゆっくりと説明しました。

「それは、今月いっぱいもたないかもしれない、ということですか」
と恐る恐る尋ねると
「そういう可能性も十分あります」
と静かに答えました。

「前回の抗がん剤は、肺がんに特化した一般的に一番効果がある薬でしたが、次は、幅広い癌に使える抗がん剤に変更します。
これが効果が出るかもしれません。
これは1週間に1回打つのですが、
効果があるかどうかは1週間では判断するのは難しいのですが、
効果がないことは、投与後の検査結果を踏まえて、1週間で判断ができます。
相手は癌なので、何が起こるかはやってみないとわからないのです」
と先生は丁寧に説明をしましたが、
私は母親がもう長くないかもしれないという不安で混乱してしまいました。

「今からご本人をお呼びしますが、次の治療法がないことと、
急変する可能性があることはお伝えしません。
前回の抗がん剤が効いておらず、がんが進行していること、
抗がん剤の変更をすることを説明させてもらいますが、よろしいですか?」

と先生から確認がありました。
それが良いのかどうか即座に判断できませんでしたが、
はい、と答えました。

母親が、看護師さんに付き添われ車いすでやってきました。
「ここにいたんやな。時間になっても二人とも来ないし、
誰も呼びに来られないから、探してたよ」
と母親が心配そうに言いました。

てっきり先生か看護師さんから伝わっていると思っていたのですが、
私たちだけ先に話をするということが母親には伝えられておらず、
時間になっても私たちが来ないので、母親は心配していたようでした。

先生は、先ほど私たちに説明した内容を母親に伝えました。
次の治療法がないこと、急変の可能性があることは伏せて。

母親は、抗がん剤が効いていなかったことはショックそうでしたが、
話の内容全体には理解を示し、
「もう自分ではどうにもできないので、先生にお任せします」
と答えていました。

私は、先生の話が理解できず、まだ混乱していました。
いえ、理解はできているのですが、信じたくなくて、混乱していました。



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