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母親の不調⑦ ~原因がわからない

母親とは、ごく普通に仲の良い親子でした。
実家が近いこともあり、結婚後もよく行き来をしていたので、
何かあると相談できる相手でした。
義実家に関する相談や愚痴、仕事の報告、子供の成長に関してなど、
嬉しいことや腹が立ったことなどは、まずは母親に電話で報告するのが
日常でした。

自分の家族も両親も健康で元気、ということが当たり前だと思って
暮らしてきましたが、それがどれだけ幸せだったのか・・。

自分より早く両親がいなくなることは、もちろんわかってはいました。
ただ、そうなるのはもう少し先だと思っていたので、
その可能性が出てきたことがとてもショックでした。
母親がいなくなるかもしれないことがもちろん一番怖いのですが、
そうなったときに自分がどうなってしまうのかを考えることがとても怖かったです。

ちょうど長男が大学合格をし、しばらくは自宅から通学するものの、
数年後には一人暮らしをするということが決まり、
母親も子供もいなくなってしまったら、私はどうなってしまうのか、
夜中にふと目が覚めて眠れなくなることが何度もありました。
嬉しいことや悲しいことがあったときに、いつも母親に話していましたが、
その存在がなくなってしまったらどうすればいいのか、
世の中の人たちは、どうやってその気持ちを消化させているのか、
どうでもいいことを気楽に話せる友達も思い浮かばない。
主人に話したところで、共感を得られるとも思えない。
これから私はどうしたらいいのか、
そんなことばかり考えていました。

昨年の6月に肺がんの疑いが出た時も、同じようにショックを受け
毎日不安で不安でたまりませんでした。
でも、肺がんにはいくつもの療法があることや、母親の様子が今ほど様変わりしておらず、元気に見えていたことが、もう少し救いになっていました。
肺がんが治って、やっと元気に戻った、と安心していただけに、
今回は心配も倍増しました。

もちろん、胸水の原因が、がんなど深刻ではない病気という可能性もありました。
でも、あれだけ急激に痩せて、あれだけ動けなくなるほどの病気と言えば、
がんしかないだろう、と思ったのです。

胃腸科を受診してから、紹介状を持って内科にかかるまでの
5日間は、何をしていても心から楽しめず、
いつも不安が渦巻いていました。

いよいよ診察の日。
母親は、胸水を抜いてもらえば楽になれると期待して、病院に向かいました。
私は、胸水の検査をしたらどのような結果が出るのか、暗澹として向かいました。

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