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選挙は、「戦場」でなく「価値創造の場」である。 で、あってほしい。

アメリカ大統領選挙の結果を得て、「社会の分断」が叫ばれています。個人的には、そもそも、選挙が「戦」だという捉え方に、違和感というか、「分断」をもたらすものがあると思っています。

選挙は「戦場」ではなく「価値創造の場」であれ

選挙という場は、「戦場」ではなく「価値創造の場」です。少なくとも、そうであってほしいです。

選挙結果に生活かかってる人も多いから、なかなかそういうわけにいかないのも分かるのだけど、理想はそうであってほしい。

「勝ち負け」になるから、「相手を打ち負かそう」という意識になる。「勝つためには何でもする」になる。そして、勝つために一生懸命になるから視野も狭くなる。お前はどっち派だ?と踏み絵を迫るような行為になる。人格攻撃にもなる。そして選挙後にもしこりが残る。

勝ち負け軸だから、野党だ与党だと言う話になる。負けた相手方の政策だから取り入れないとか、取り入れてもらえないに違いないという疑心暗鬼とか、そんな話が出てきちゃう。

でも、本来は、「この地域を、この国家をよくするための意見を互いに出し合って、市民が未来を考えて、自分と異なる意見も耳を傾けて取り入れながら、より良い提案を形作って、それを提示する人をリーダーとして選ぶ場」ですし、そういう場であってほしい。

同じ戦わせるなら、「支配権の争奪のためのバトル」ではなく、「地域に新しい価値をもたらすクリエイティブ」を戦わせて欲しい。

勝ち負け軸からクリエイティブ軸へ。

理想論かもしれないけど。青いのかもしれないけど。

でも、使う言葉が変われば、選挙も変わる。

文筆家、学者、実業家の平川克美さんの著書にビジネスに「戦略」なんて入らない、という本があります。

この本で、とかく「戦略」とか「戦術」とか、戦争に例えられがちなビジネスの用語を見直し、戦争に例えることを脱出すれば、もっと豊かなビジネスの世界が見えてくるという提言をされています。

私は、「選挙」にも同じことを思います。全ての主権者が地域だったり、国家だったりのことを考えること、これは最高のクリエイティブであってほしいです。

戦争に例えることが、かっこわるい、おしゃれじゃない、ださい。価値創造の場として捉えたほうが、かっこよくて、おしゃれで、、、そんな価値観の世の中になれば、きっと、若い世代だってもっと関心を持てるようになる。

今、デザインの大学院に通っていますが、ここに、デザインの力が活かせないかとも思います。選挙制度、ルールの設計だってデザインの守備範囲です。

「民意」という単語の排他性

さて、選挙結果の報道で、よく「民意の反映」と言う表現が見られます。「民意」というのは「選挙結果」という中立の意味で用いられることもある単語ですが、一方で、落選した側に投票した人は「民」ではないのか、という排他的なニュアンスを、私は感じてしまいます。

「少数派の「民」に耳を傾ける」、「少数意思の尊重」こそ、民主主義の基盤であるはずです。これは中学校で習うことです。選挙結果が確定した時点で、当選者を支持する「民」が多数派、落選者を支持する「民」が少数派になったわけです。

だとすれば、「勝った方が官軍だよね」ではなくて、「少数意思の尊重」に配慮すべきだと思います。その担保があって多数決は成立します。

そこがないことが、アメリカでも大阪都構想でも「分断」が起きる大きな理由だと、私は思っています。「トランプに投票する人がこんなに多いことにがっかりした」とか、そういうことを知識人が発言するから、世界が分断する。

そこで、本音を聞いちゃったら、そのあと、「融和」だ「団結だ」と、いくら言っても無駄です。

バイデンさんに入れた票も、トランプさんに入れた票も、第三勢力に入れた票も、それぞれに「民意」なのです。

サッカーのカズダンスが流行り(有名に)始めた頃から、野球でもホームラン打ったあと、派手にガッツポーズをする選手がプロでも多くなってきたように感じます。感情を必要以上に抑え込まなくても良いけど、世界各国、相手側への配慮のない勝利パフォーマンスはイエローカードが出ます。

相撲で勝った力士が土俵で喜びを表現しないのは、「勝ち負けより大切なことがある」というのが前提になっているからこそと思います。相撲は勝負の場の前に「神事」です。

同様に、選挙も、「勝負」の前に、「未来へ向けての価値創造の場」というものがあって欲しいと思います。少なくとも、「どっちがたくさん人数集めたか、勝ち負け競争ゲーム」のスコープだけで捉えるようなことは、個人的には受け入れがたいですし、私の趣味ではありません。

今回の市長選挙でも、どっち派だ?といわれました。

私は「豊橋をクリエイティブする派」です。

最後までご覧いただきありがとうございました。 私のプロフィールについては、詳しくはこちらをご覧ください。 https://note.com/ymurai_koji/n/nc5a926632683