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『SASUKE』という最高のエンタメ。


年末年始はいろんな面白い特番がたくさんあって、テレビっ子にはうれしい悲鳴です。やっぱりテレビって面白いな~。と再確認できる期間ですよね。
僕が年末観たテレビで一番面白かったのが『SASUKE』です。
今回は『SASUKE』について熱く語ろうと思います。


1997年に初回放送の『SASUKE』。
今回は放送開始25周年で、40回記念大会でした。

知らない人はそんなにいないかと思いますが、一応説明すると、制限時間内にジャンプ系やパワー系などの障害を乗り越える、いわゆる障害物競走みたいなもので、毎回選ばれた100人の挑戦者が4つのステージをクリアし、完全制覇を目指すものです。

放送開始当時、僕は小学生。
TBS『筋肉番付』のスペシャル企画として始まったこのSASUKEに大ハマリ。VHSに録画しては何回も擦り切れるまで観ていました(同じスタッフで制作された『スポーツマンNo.1決定戦』も大好きでした)。

このSASUKE、ただのテレビ番組と侮ることなかれ。
今やその企画性が海外の人にもウケて、アメリカをはじめ、アジア、ヨーロッパ、中東、アフリカなど160ヵ国以上の国で放送されているのです。
現地制作版の『Ninja Warrior』も大ヒットし、今大会はアメリカやヨーロッパのチャンピオンが本家・日本の大会に出るなど、その人気は世界的な広がりを見せています。

さらに、このSASUKEが「障害物競走」として、五輪の正式種目になる可能性もあるそうなのです。
近代五種のうちの一種目として、おそらく2028年ロサンゼルス五輪から正式採用される予定だそうです。すごすぎ。


ここまで書いたのは、あくまでSASUKEの表向きの情報。
僕が今回の放送を観て改めて思ったのは、SASUKEはエンタメとして最高に面白いということ。
このSASUKEには、エンタメとして必要不可欠な要素である、「笑い」「感動」が詰まりまくっているのです。

放送開始当時は、まだ歴史が浅いこともあり、ガチ勢の人数が今より少なく、お笑い担当みたいな参加者がたくさんいた傾向だったと思います。

煌びやかな格好で出てきたと思いきや、絶対ジャンプハングで一回転して落下する「史上最強のニューハーフ 妃羽理」や、筋肉ムキムキブーメランパンツ「野生ダンサー 高橋博光」、スーパーマンのコスプレをして見た目もめちゃくちゃ格好良いのに、体が重すぎてローリング丸太で振り落とされる「保険営業マン 立川福裕」など、今も鮮明に覚えている個性派キャラがたくさんいました。

放送翌日は学校で、同じくSASUKE大好きな同級生のヨウヘイ君と、史上最強のニューハーフ 妃羽理のモノマネをして爆笑していました。
鉄棒をジャンプハングに見立てて、一回転して落下する真似をしたヨウヘイ君が誤って首を強打した時も、腹ちぎれるくらい笑っていました。
マジで何してんねん。 

そんなキャラを差し置いて、一番SASUKEにインパクトを残した人物、間違いなく初期からの当番組の功労者は、ご存じ山田勝巳氏です。

彼のパイオニアたるゆえんは、「SASUKEに人生を捧げた」という点。
今では、生活の中心がSASUKEという参加者も多いですが、自宅にセットを作って練習をしていた初めての存在で、練習しすぎるあまり仕事をクビになり、奥さんの実家の鉄工所でアルバイトとしてお世話になる始末。
「無職・山田勝巳」として出場していた回を観て、子供ながらに「このオッサンなにしてんねん」と思っていました。

そして忘れもしない第10回大会。
何度かの引退危機を乗り越え臨んだこの大会で、3rdステージ最後の関門パイプスライダーで足場を踏み外し落下。
その後に残した名言。

「俺にはSASUKEしかないんですよ。」

衝撃でした。
一番組の一企画にもかかわらず、こう言わしめるSASUKEの魅力自体もすごいですし、ガチで涙を流しながら叫んだ山田勝巳の精神もすごかったです。どう考えてもおもろいはずなんやけど、なんかかっこいい。
これを観て心を打たれた人達が、その後のSASUKEを盛り上げ、発展させたと考えると、山田氏の功績は計り知れないと思います。



今回の40回記念大会は感動する場面が多々ありました。その理由としては、ひとえに「歴史の重み」があると思います。

完全制覇達成者である、「史上最強の漁師」金比羅丸船長・長野誠が、13歳の息子と親子2代での出場を果たしました。
当時20代だったSASUKEオールスターズももう50代。時の流れを感じます。

また今回、大嶋あやのが女子選手として24年ぶりの1stステージクリアを達成。この感動も放送25年という歴史の長さから来るものですね。

そして僕が今回一番感動したのは、ケイン・コスギと、「唯一の皆勤賞」山本進悟の史上最年長1stクリア。
共に48歳で、山本氏は8年ぶり、ケイン氏は実に21年ぶりの参戦で1発クリア。僕の小学生時代の憧れケインは、48歳のオジサンになってもかっこよかったですし、50歳近くになって、過去の自分の記録に並ぶってとんでもないことです。普通に泣きました。

もう一つ感動できる要素としては、選手の家族の存在。
普段から時間を割いて、家庭を顧みず、SASUKEの練習ばっかりされるって普通は絶対嫌なはず。でも、お父さんの頑張っている姿を一生懸命応援して、クリアしたら共に喜び、脱落したらみんなで号泣する。
そんな姿を見て心打たれない人はいないと思います。



やはり、SASUKEを観て改めて感じたのが、

「ガチが一番面白い」

ということ。

思わず笑ってしまう部分も、当の本人たちはいたって真剣。
さんざん練習したのに、めっちゃしょうもないところで落ちるとか、「なんでそんなに人生賭けれるねん」って思ったりとか、笑える部分がたくさんありますが、本人たちは笑わせる気はもちろんゼロ。

山田氏の話に戻りますが、伝説の2ndステージ。
ルールの規定上、外さなくてはいけなかった手袋を最後まで付けてしまい、制限時間に間に合うものの、失格。
山田氏の口からこぼれた「あぁ、これか、、」に対して、全視聴者がツッコんだであろう「何してんねん!」。
そんなん絶対計算では起こせないドラマなんですよ。

このように作られたものじゃないからこそ、ガチだからこそ、人々の心をつかむし、笑えるし、感動する。
SASUKEとは、最高のドキュメンタリー性を持った、最強のエンタメなのです。

あと、出場しているジャニーズのメンバー、特にSnow Man岩本君の功績は半端ないと思います。

日本のトップアイドルが、一つの番組であるSASUKEに、決してお遊びではなく、真剣に取り組んでいるのです。
「SASUKEをやっている時の自分が、一番ありのままでいられる」的なことをおっしゃっていました。
決してリップサービスではないことは放送を観ていればわかります。
だって忙しい仕事の合間を縫って、SASUKEの有力選手の自宅を訪れ、一緒に自作セットで練習しているんですよ?
ジャニーズがわざわざ一般家庭の家でですよ?
マジで「何してんねん!」なんですよ。(笑)
でも、それが最高なんです。

普通に大会中、SASUKE仲間の一般人と一緒に、他の選手をみてあーだこーだ喋ってる姿って、ジャニーズファンからしたらすごい光景ですよね。
そんなジャニーズのファンを取り込んでいるという意味でも、番組に貢献されているなと思います。

ちなみに一緒によく映っている仲良しのキタガワ電気店長・日置将士さんが、タレント並みにしゃべりが上手いのも毎回必見です。子供さんもめっちゃ可愛いです。


まだまだ語りつくせないほどの魅力があるSASUKE。まだ観たことがないよって方は、ぜひ観てみてください。

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