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ついに、Jリーグに関西の新たなクラブが生まれる。


「Jリーグ」と「プロ野球」。

人気を二分する日本のプロスポーツ(でも体感は、なんやかんや野球の方が人気やと思う)ですが、Jリーグにあって、プロ野球に無い決定的なものがあります。なんだと思いますか?


それは、昇格と降格です。

プロ野球は60年以上、セパ両リーグ合わせて12球団で構成されています。ずっと同じ形。

対してJリーグは1993年の発足時はリーグは一つでしたが、時代を追うごとに、J2(1999年発足)、J3(2014年発足)と下部リーグが出来て、年間順位の上位と下位による入れ替え、「昇格」「降格」という制度があります。

なのでJリーグのチームは、

「下に落ちないためにがんばるぞ〜!」や、
「上に上がるためにがんばるぞ〜!」

といった気持ちになり、そのチームのファン・サポーターも、

「そのためには応援するぞ〜!」

といった熱いモチベーションが生まれるのです。

この感覚はプロ野球には存在しません。


またJリーグはプロ野球と違って比較的、新規参入がしやすい業界です。

プロ野球はガチガチでずっと12球団(2004年の球界再編が最後。楽天が生まれた)。
プロ野球チームを作りたい企業があっても、今から割って入る隙はありません。

対するJリーグ。
1993年発足当時10だったクラブ数が、2022年現在はなんと58クラブあるのです!(J1…18クラブ、J2…22クラブ、J3…18クラブ)
約30年間でめっちゃ増えました。

それぞれのクラブは1から作られた場合、それぞれの地域のリーグを勝ち上がり、昇格を続けて、Jリーグ参入を目指します。

強いやつは上がる(残る)。弱いやつは下がる(落ちる)。
この新陳代謝はプロ野球にはないでしょう。

そしてJ1をトップとしたピラミッド方式は、「頑張れば頑張るほど上に行けるよ」というストーリー性を生み出します。

田舎の小さな企業が作ったクラブが、こつこつ頑張ればアジアの頂点に立つことも、決して夢ではないのです(J1の上位になるとアジアチャンピオンズリーグに出れる)。

バリ過酷なサッカー界のピラミッド。
手作り感MAX。


そんなストーリーを思い描き、Jリーグに新規参入しようと頑張るクラブは日本にたくさんありますが、今年、悲願のJ3参入を決めたクラブが2つあります。

それが、「FC大阪」と「奈良クラブ」。

なんと、関西の2チームが一気にJリーグ入りしたのです。

この2チームはJリーグライセンスという、あらゆる規定(観客動員数、スタジアムの設備など)をクリアし、なおかつJFL(J3の下。実質4部リーグ)の年間順位で4位以内を達成(1位奈良クラブ、2位FC大阪)。
見事にJリーグ側から認められ、来年からのJ3参入にOKサインが出たのです。

さきほど述べたクラブのストーリー。
例えばFC大阪に当てはめると、

1996年に広告代理店の社員の草サッカーチームから発足。
2012年から関西リーグ所属。
2015年からJFL所属で今年ようやく目標達成。
本拠地は東大阪市。ラグビーで有名な花園ラグビー場で試合をしています。

今シーズン最後の試合は、吉村知事や大阪ゆかりの著名人をゲストに呼び、集客に繋げたそう。
大阪3つ目となるJリーグクラブの誕生です。




今回、まずなんで僕がこの話題を取り上げたかったかと言うと、関西にJリーグのクラブが生まれるのがめっっっっちゃ久しぶりだからです。

1993年にJリーグが始まった時の10クラブ(オリジナル10)に、関西のクラブとして唯一入っていたガンバ大阪。

その後、

1995年にセレッソ大阪
1996年に京都パープルサンガ(現:京都サンガF.C.)
1997年にヴィッセル神戸

が、次々と参入。
しかし、そこから25年もの間、関西のクラブは1つも生まれていなかったのです。他の地域は次々と生まれているのにも関わらず、です。
一体なぜなのか。

そもそもサッカーは、関西より関東の方が盛んだと思います。高校サッカーの優勝回数が多い県は、関東圏ばかり。静岡、千葉などは「サッカー王国」と呼ばれることもしばしば。

あと個人的な考えですが、「阪神タイガース」の存在は決して小さくないと思います。
また、リトルリーグやボーイズリーグなどの少年野球が盛んなのも関西です。

こういったところから、サッカーの土壌が、関東や他の地域に比べて、根付きにくかったのかとは思います。



あと、Jリーグクラブの大きな役割として、「街おこし」があります。

現在Jリーグクラブが無い県は、

・福井県
・三重県
・滋賀県
・奈良県←※来年出来る
・和歌山県
・島根県
・高知県

逆にこれ以外の県には全てJ3以上のクラブがあります。普通に考えてすごいですよね。
これといった産業や観光名所が無い地域は、人を呼ぶために、街を元気にするために、クラブを作ります。
地方ほど「クラブを作りたい」という意欲にあふれているのだと思います。

近畿は観光名所も多いからでしょうか?
なんか、なんとなくそういう、

「サッカーで街おこしだ!」

みたいな空気にならへんのかな、と考えたりします(京都出身の僕は、周りで「サンガのサポーターだ」という人にあまり会ったことがない)。


とにもかくにも、来年からJ1で4チーム、J3で2チームの関西のクラブが応援できます。

そんなに簡単では無いでしょうが、近い将来、ベテランクラブのガンバやセレッソと、若手クラブのFC大阪が戦う「シン・大阪ダービー」なんか見れたらめっちゃ面白そうですよね。

J3はJ1ほど敷居も高くなさそうなので、気になる方はふらっと気軽に、奈良市か東大阪市のスタジアムに出かけてみてはいかがでしょうか。

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