いまさら水中スクーターの理由

安全っていうものを突き詰めていったときに屋外アクティビティだとどうしても「機動力」を避けて通ることはできません。まあ、ことが起きてからが特にそうなんですけど、「なにかあったら素早く回避しましょう」とか、「撤収しましょう」とか。あるいはレスキューの速さだったりそういうこと。

ボート(船上に人員が必ず残っている状態で)が付近にいればそのリスク回避能力は高くなります。バックアップ要素が存在しているという意味です。
具体的には緊急時のマンパワーであり、船による機動力であり、船上である地面の確保であるわけです。

屋久島のビーチからのエントリーアクティビティではこれと比較するとどうかといえば・・・。
ボートがいない・監視要員、バックアップ機動力がない。
陸番(ウォッチ)がいない・常駐の要因がいないので監視、および連絡体制が手薄になりがち。
バックアップの機動力がない。海上で疲労した参加者や要救助者を迅速に搬送できない、それなりに時間がかかる
というのが現状です。

まあ、ダイビングに限定せず、実際のところ海浜の(?)アクティビティでこれが充実している状況というのも実はなかなか少ないんじゃないかと思うんですけど。

そこいらへんの不安を少しでも払拭するために、スクーターっていうのが実はとても有効なんじゃないかなって。

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(水中スクーターって、実は1990年ごろに流行った(流行りかけた)お道具なんですが、原田知世主演映画の「彼女が水着に着替えたら」で見たことある人決して少なくないはず(笑)白いウェットスーツ着て、両手に一台ずつ持ってくるくる回るのにあこがれた人いるかもしんない)

さて、話を戻して特にスノーケリングで感じていたことなんですけれども、ウミガメにつられてだんだんその活動エリアが広くなってきてる気がします。屋久島のごく沿岸部で、やたらめったらウミガメがみられるようになったのがここ7~8年くらい。屋久島のスノーケリングはウミガメがみられてなんぼ。みたいな雰囲気が出来上がっているようで、以前から危惧はしていたんですけど、それを売りにしちゃうといなくなったときや遭遇しにくくなったときどうすんだろな?と。

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ま。良くも悪くも、うちはそのへん能天気なので「自然もんだから見られたらラッキーよ」のスタンスを崩しておりません。カメの所在なんて予約できるわけもなく、見られればうれしいけど、参加者の体力や泳力、海の状況だってその場にならなきゃわからないわけで。「状況が許せば行きますよ」「逢えたらいいですよね」以上にはやっぱりできません。とにもかくにも安全第一ですからね。

さて。もろもろの要因で活動エリアが広がったからって僕ら(引率者サイド)の能力がその分上がるわけでなし。そこいらへんの能力の不足をスクーターによってある程度埋められるのではないだろうかと。

水中スクーターを使ったことのある人はわかると思いますが、そんなにスピードが出たりやたらパワーがあるものではありません。(もちろん機種にもよりますが・・・。)

しかし、人間が普通に進む程度の推進力は十分にあるわけで、「体力の温存」「緊急時の(通常遊泳と同程度の)推進力」としては十分に機能します

そしてもう一つの催行条件として、リーダーはパワーのある機種を使用するので、緊急時の曳航も十分に可能です。(少なくとも曳航においては通常のキャリングよりもはるかに効率的です)

そのうえで、バックアップ相当分の余力を残したうえで遊びにも活用しようっていうのがうちのシースクーター(水中スクーター)スノーケリングの狙いだったりします。
(主たる資材が緊急用資材として機能するということで、YMSでは、スクーバの際の残圧とスクーター使用時のバッテリーの管理は、同様のルールに準じて管理します。)

動力船より格段に静かではありますが、そこはどうしたって動力使用の水中スクーター。ライディング自体を主目的にしちゃうと、そりゃ静かにフィンキックしてる時よりも賑やかなのは間違いなく、多少は生き物たちにも距離は置かれちゃいそうです。

現在、大きな移動についてはスクーターを効率よく使い、生き物の多いところや生き物に近づきたいところではスクーターを止める(稼働させない)というのがYMS的、正しいスクーターの使い方であります。

その結果このような形で運用しております。
うちのアクティビティ。「スクーターシュノーケリング」です。
はい。ここ宣伝です(笑)


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