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なぜシェフの方が洗い場が早いのか、洗い場で身に着ける仕事に役立つ基本的考え

なぜか私の周りのシェフの話を聞くと洗い場が好き。という人が多いです。

そして、皆一様に洗い場を効率、手際よく早く片付けます。
その好きで早い動作には理由があるのでは。ということで、私なりの考えをまとめておきます。

1、全体を俯瞰し、最適値を測ることができる。


 洗い場はお客様の食べたものが下げられ雑多になりがちです。
何から洗うのかを瞬時に判断する必要があるのですが、洗い場に慣れていない場合はとにかく上のものから洗う、邪魔になっているものから洗うをしがちです。
 仕事ができるシェフは、何をまとめて洗うのが効率的か、また、他の人の手が空いているときは、ふきあげの手があるかどうかでも順番を変えて数人で行うのかを瞬時に判断してます。

2、洗浄機を常に稼働させるように工夫している


 (ここでは洗浄機がある前提の話になります)業務用の洗浄機でも洗い始めから濯ぎまで3分程度時間がかかります。この3分の間に何をするかを感覚的に判断するのが、仕事を効率的に進めるのが上手な人です。
 私は3分の間に洗い上がったお皿を拭くのですが、細かいものから洗うとふきあげの時間がかかったり、営業中であればお皿を戻す動線と調理されたものを提供する動線が重なる場合があるので、動線が重ならない調理器具やグラス類などから洗うなどします。

3、とにかくまとめて作業する

洗い場は仕事が溜まっているのが目視で簡単にわかる場所なので気になります。すぐに片付けたくなるのですが、時間軸を俯瞰して、後々同じもの(お客様が食事中で同じ皿が戻ってくる)がある場合は、あえて洗い物をためることもあります。
 先に調理場の整理、食材の片付け、納品物の整理などを行い、どっちみち後にする作業があるのであれば、洗い物を優先順位の低く設定し、まとめてできるようにしておきます。

 まとめる利点は他にもあり、食器を片付けるとき持ち上げたり、しゃがんだり、扉を開けるといった作業がありますが、その行動が1回で済むようにすることで、体力的にも温存され1日いい状態で仕事に臨めます。立ち作業がメインの仕事なのでしゃがむ回数が多いと足が疲れて疲労感の蓄積にもなるので動作がワンアクションで済むには?
を意識します。

なぜ、仕事ができる人は洗い場が好きか?

人の動きを意識し、洗い場とレストランを俯瞰し、最短をイメージして、作業に取り掛かる。

このイメージと実務がピッタリ重なるのが気持ち良く、フロー状態に入る事ができるからです。
フロー状態(目の前の仕事に集中していて、雑念がない様子) 
 
 調理中は、予測できないことも多く、来店時間、食事の内容、アレルギー対応、食事スピードとお客様に合わせるので、コントロールできる範囲はおのずと狭くなります。
 なので、洗い場に入ったときは緊張からフロー状態を経て緩和されるのが心地よく感じるので、好きという方が多いように思います。

段取りが組めない人は時間もかかり苦痛に感じる場所でも、やり方工夫を持って取り組められれば心地良い仕事になると思ったので、参考にしていただければ幸いです。

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