坂本龍一氏が私に与えていた影響

坂本龍一氏が亡くなってから、およそ1ヶ月が経つ。
訃報を知った夜、私はまるで水分を抜き取られたクラゲのように全身の力が抜けてしまった。

その日から、テレビでは連日坂本氏の追悼番組が放送された。
改めて坂本龍一氏の偉大さに気付かされる。そしてリモコンを操作しながら追悼番組を隈なく探して録画予約をする。

しかし、今日まで録画された番組は未だ未視聴のマークがついたままだ。
見ることが出来ない。

坂本氏が亡くなったことが、自分の中で受け入れられないのだ。
訃報を聞いた夜から、坂本氏の音楽も聴けなくなってしまった。

彼の音楽に触れた瞬間に、坂本氏の死という現実に向き合わなくてはならなくなる気がしたからだ。

坂本氏のことを知ったのは、私が大学生の頃だろう。一番初めに好きになった曲は『tong poo』だ。

Yellow Magic Orchestraでも演奏された曲だが私が聞いたのは
ピアノヴァージョンだったと思う。

初めて聞いた時、全身に衝撃が走ったのを覚えている。東洋的なスケールでありながらも、アフリカの原野のようにエキゾチックなビート。しかもそれが西洋のピアノという楽器ひとつで演奏されているのだ。その前衛さに当時の私は圧倒された。

坂本龍一氏といえば、『Merry christmas Mr. lawrence』や、アカデミー賞を受賞した『The Last Emperor』が有名だろう。

だがその他にも『Behind The Mask』は、あのMichael Jacksonや、Eric Claptonにカバーされており、『PERFORMANCE IN NEW YORK:async』にはBjörkが足を運んだと言われている。

ここまで世界に影響を与えてきた日本のミュージシャンが他にいただろうか。

私はこのnoteを書きながら、訃報から初めて坂本龍一氏の音楽を聴いている。私もそろそろ彼の死と向き合わなくてはならない。

坂本氏の音楽は今この瞬間聴いても前衛的だ。そして坂本氏の魂が宿っている。今でも私の中に坂本氏の魂は燃え上がっているのだ。

だから、彼の続けてきた環境への取り組みを引き継ぎ、明治神宮外苑の再開発も断じて許してはならない。坂本氏から受けた影響を、そして魂を、受け継いでいかなければならない。

これからもずっと坂本龍一氏の魂は僕の中に、そして多くのファンの中に生き続けるだろう。

RIP








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