この異常気象は "point of no return" (帰還不能点) これが本当の危機である理由
この冬の異常気象をみながら、私は "point of no return" (帰還不能点)という英語をときどき思い浮かべていた。
「帰還不能点」とは、航空機の燃料が、出発点にもどれる量を下回る地点のこと。
これを過ぎると、不時着か墜落の運命が待っている。
調べてみたら、一年前に国連事務総長がこの言葉を使って、人類の危機の深刻さを訴えている。
https://www.euronews.com/2019/12/01/point-of-no-return-is-hurtling-towards-us-says-un-head
大学の同僚とこの話をしたら、現状がほんとうの危機である理由は、人類がこの危機をのりこえる制度をもちあわせていないからだ、ということで一致した。
人類は環境破壊を止める制度を持っていない。
もしも人類が "point of no return" を越えつつあるとしても、そしてそのことにみんなが気づいたとしても、人類の経済活動のスタイルを変えられる制度がない。
たとえそういう制度が見つかり、それをじっさいに構築できたとしても、そのときはもう手遅れかもしれない。
健全だった過去にはもどれないとすれば、あとは不時着 a forced landing しかない。
その不時着は、どこの地点になるのか。どういうかたちにすべきなのか。
それを考えるべき地点に、もう来ているような気がする。
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