【回顧録】社内の「面倒くさい」を解消する Step.7
賃貸管理システムを開発するに当たって、異業種のシステムを参考にすることがよくあります。
●献血の受付システム
●コンビニで利用されているPOSレジ
●ある金融機関の電話応答サービス
●ある眼科の業務システム
●家族でよく行くお寿司屋さんの業務システム
●損害保険会社の代理店システム
などなど・・・
訪れた先でシステムを見かけると、喜々として観察する傾向があるようです。
それらのシステムでピン!ときたものがあれば、実際に自分でもテストしてみてパクってしまいます。
「【回顧録】社内の「面倒くさい」を解消する Step.5」でもサラッと触れたのですが、弊社スタッフが使用しているコンピューターには一部の例外を除き、QRコードリーダーが標準装備されています。
遡って、2012年から2018年にかけては、バーコードリーダーが標準装備されていました。
どういうことか?
賃貸管理システムも、コンビニにあるPOSレジみたいに、できるだけ簡単にできるようにという思いから、バーコードやQRコードを利用したシステムを構築しているからです。
昔は1台が何万円もするような高価なバーコードリーダーが、2012年あたりには1万円を切って買えるようになりました。
少し調べてみると、バーコードを作成すること自体それほど難しいものではなく、バーコードフォントというものを使えば容易に作成できることが分かりました。
この時、複合機を新しいものに入れかえ、複合機でできることが増えていました。
これは新しい事に挑戦してみないと!
アパートを探しに来られたお客様に対して、弊社ではクリアケースに入った物件資料で物件をご紹介させていただいております。
その当時、お客様が物件を気に入り、資料のコピーが必要となった場合、その都度クリアケースに入った物件資料を複合機でコピーしてお渡ししていました。
モノクロコピーであまりキレイなものではありません。そして、フルカラーでコピーしようとすると、クリアケースが邪魔をしてキレイな仕上がりになりません。
また、一件一件、賃貸管理システム上から物件を選択して物件資料を印刷させるというのも面倒くさいですし、お客様をお待たせすることにもなります。
そこで、バーコードを使った文書印刷システムを作成し、簡単に物件資料がカラー印刷できることを目指してみました。
あらかじめ物件資料は全てPDFもしくはDocuworks文書に変換しておきます。
これらの文書にはIDを割当て、そのIDがファイル名となるようにサーバー上に保管しました。そして、店頭提示用の物件資料には、IDに対応するバーコードで印刷されたシールを貼りつけました。
賃貸管理システムを少しイジったら準備完了です。
お客様から物件資料のコピーを依頼されると、スタッフは物件資料のバーコードをバーコードリーダーで読み取り、賃貸管理システム上にIDを入力させます。
印刷ボタンを押すと、システムはそのIDに対応した物件資料データを複合機に送り、印刷を始めます。複合機に搭載されている機能を活かしているため、難しい処理を必要とせず、スピーディーに印刷させることが可能となりました。
繁忙期などは物件資料を5枚10枚とまとめて出力させることも少なくありません。こういう状況ほど、このシステムは威力を発揮していきました。
現在は、オンラインでのお問い合わせにも対応できるよう、物件資料をひとまとめにしたZIPファイルを作成できる機能も追加しています。
これにより、スタッフの手間を軽減しつつ、お客様からの要望に素早く応えることができるようなりました。
このように、自社のシステムをバージョンアップさせるヒントは身の回りにあります。
自社で実現するのは難しい、きっとコストが高いに違いないという思い込みを一旦排除して、気になったシステムを調べてみてください。
意外とお安く簡単に利用できる場合があります。
一歩、一歩、前へ。我々の改善は続きます。