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点が線になるとき

渋滞の中、道路脇に目をやると、車をすいすいと追い抜いていく自転車。その時ふと、中3の時のサイクリングを思い出した。

地図と水筒、ありったけのおこづかいを持って目指す九十九里浜。
往復100kmの大冒険に、友達5人で臨む。
ロードバイクなんて持ってないから、みんな普段から使うママチャリに乗っていた。
子供だけのサイクリング、相棒はママチャリときて不安でいっぱいだった。お父さんには「絶対無理だ」と笑われた。


家の近くを通る国道14号。そこを走り続けると、電車でしか行ったことのない街に出た。出発前は、今いる場所と遠いところが、点と点にしか見えなかった。だけどそれは、一つの線で繋がっていた。

出発前の不安は、次第にワクワクに変わっていった。

僕たちの知っている世界と「絶対に無理」なところには、ちゃんと道がある。だから、いける。

そんな希望を胸いっぱいに詰めこんだあのときの僕が、車の中にいる僕をみてニッと笑った。

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