実はストーカーの曲? 日向坂46「キュン」歌詞考察

作詞:秋元康
作曲:野村陽一郎

キュンキュンキュン キュンどうして キュンキュンキュン キュンどうして
I just fall in love with you
キュンキュンキュン切ない キュンキュンキュン切ない
You know, I can’t stop loving you

Sunday なぜなんて Monday 聞かないで
Tuesday きっと 理解できないだろう
Wednesday 毎日 Thursday 見かけて
Friday 思い続けて来たSaturday

もっと 会いたい なんて 不思議だ
きっと 僕は声を掛けられない
目と目 合うと 胸が締め付けられる

電車の窓 手鏡代わりに
春の制服 そっとチェックして
腕に巻いてた真っ黒なヘアゴムで
ポニーテールに髪を束ねた

「可愛い」

君のその仕草に萌えちゃって
あっという間に虜になった
静電気みたいにほんの一瞬で
ビリビリしたよ
何もなかったようにさりげなく
遠い場所から見守っていよう
そんな思いさえ気づいていない
余計に君を抱きしめたくなった

キュンキュンキュン キュンしちゃった キュンキュンキュン キュンしちゃった
I just fall in love with you
キュンキュンキュン愛しい キュンキュンキュン愛しい
You know, I can’t stop loving you

そうさ あの日から ずっと 気になって
君のことで頭がいっぱいだ
夜が来ても なかなか眠れないんだよ

電車の中に紛れ込んで来た
モンシロチョウが肩に留まった時
君は両手でそっと捕まえて
開けた窓から逃がしてあげた

「好きだよ」

僕にできることは何でもしよう
君のためなら何でもできる
真っ白な心 汚れないように
守ってあげたい
僕にできないことも何とかしよう
言ってくれたら力になるのに…
叶わぬ願いの独り言さ
好きというのは反射神経

そんなことでキュンとするの?
君に笑われちゃうね
思いがけないタイミングで
そう ときめいた
この感情
息が止まる

きっと言ってみたってピンと来ないさ
僕が勝手にキュンとしただけ
こうやって人は恋に落ちるのか
始まる瞬間

君のその仕草に萌えちゃって
あっという間に虜になった
静電気みたいにほんの一瞬で
ビリビリしたよ
何もなかったようにさりげなく
遠い場所から見守っていよう
そんな思いさえ気づいていない
余計に君を抱きしめたくなった

キュンキュンキュン キュンどうして キュンキュンキュン キュンどうして
I just fall in love with you
キュンキュンキュン切ない キュンキュンキュン切ない
You know, I can’t stop loving you


■計44回、、怒涛の「キュン」攻撃

曲が始まると「キュンキュンキュンキュンどうして~」といきなり怒涛の「キュン」が押し寄せます。かわいらしい声で「キュンキュンキュンキュン」と歌われたら、ドキドキしますね。

「キュン×4 どうして~」と読者にかわいい先制攻撃をかました後、再び「キュン×3 切ない~」と攻撃の手を止めません。曲初めのサビだけで計14回、曲全体では44回も「キュン」て言ってます。聞き手は考える隙もなく、「キュン」の波に打ち負かされ、思考停止に至るのです。

その勢いは、歴史の授業で勉強した「鉄砲三弾撃ち」(長篠の戦い)を彷彿とさせますね。

画像1

冗談です。

途中で入る英語の歌詞も「I just fall in love with you~」などシンプルで頭に入りやすく、心地いいです。

■主人公はピュア?ストーカー?

この曲は典型的な「恋愛妄想系」歌詞だと思います。恋愛妄想系とは、歌詞中に情景描写があり、架空の世界が想像できる歌詞です。
※歌詞の系統については過去にブログで紹介しています。こちらも読んでみてください(https://note.com/ymdy0130/n/n5ab78fc89d5d)

この歌詞は主人公の視点で、ある女の子を説明していきます。
それによると、女の子は
・電車通学&土日は部活をしている?(電車で毎日見かけている)
・先生に反抗するタイプではないかも(シュシュとか使わず、真っ黒なヘアゴム)
・ロングヘア(ポニーテールできる)
・地味なタイプではなさそう(地味なタイプはポニーテールをしない)
・優しい性格(チョウを逃がしてあげた)
・「守ってあげたい」と思われるタイプ

上記の特徴があるようです。
うーん。クラスで一番目立つタイプではないが、実はいろいろ整っていて「ひそかにモテている女の子」といったところでしょうか。派手に遊んでいるような噂もなく、性格も優しいので「自分でもイケるんじゃないか」と思ってしまう。。。実はこういう子が一番モテたりします。

コホン、話を戻します。

主人公はとてもピュアな人のようです。「キュンキュン、どうして?切ない~」と恋に落ちてソワソワ。自身の溢れんばかりの恋愛感情に戸惑っているようにも思える。初恋かな? 女の子に話しかけられないほどウブで恋愛経験が薄い。

しかし、だんだん変な感じ。
さりげなく遠い場所から見守っていよう」という控えめな姿勢と、「余計に君を抱きしめたくなった」という距離感の近い態度が混じる。女の子のことで頭がいっぱいで、夜も眠れないほど夢中に。

僕にできることは何でもしよう 君のためなら何でもできる
まだ会話したこともないくせに、話が飛躍してきました。でも、思春期の恋愛って暴走しがちだよね。

真っ白な心 汚れないように守ってあげたい
これは少しおこがましいかな。主人公は女の子の何を知っているんだ。

僕にできないことも何とかしよう  言ってくれたら力になるのに…
あれ?「言ってくれたら」って、会話したこともないのに・・・。


そんなことでキュンとするの?君に笑われちゃうね
・・え!? 
笑われちゃうって、そんな仲だったっけ?まだ話したことないよね!?

きっと言ってみたってピンと来ないさ 僕が勝手にキュンとしただけ
勝手に自己完結しとる!!!素直に告白すればいいだけなのに・・・。


・・・ちょっと暴走しすぎな様子。しかも、女の子のことまだあまり知らないのに、自分の理想像を押し付けてしまっている感じがします。

また、サビ前の「可愛い」「好きだよ」というセリフ。ささやいてますね
これ、電車内でのセリフだったら結構怖いです。
女の子目線になると、よく知らない人が自分を見て「可愛い」とか「好きだよ」とかブツブツ言っている。。。

そんなの、恐ろしくて泣いちゃうよ~。

なんだか不気味になってきました。主人公は一体、どんな人なのか。
自称が「僕」なので、性別は男と思われます。(性別違和の方などの可能性もあるでしょうが、ここでは男とします)
毎日電車で会っているらしいので、土日も含めると同年代の男の子かなぁ。会社員は土日休みが多いから違うかな。ほぼ毎日勤めている方や仕事以外の目的で毎日乗車している方の可能性もありますが。。。
主人公のウブさなどを考慮すると、やっぱり同年代の男の子と捉えるのが自然ですかね。どちらにせよ、ピュア過ぎてストーカーの素質アリ!なようです。

■思春期ピュアピュア感

歌詞をよく見ると、ストーカーみたいでちょっと不気味な内容。
それでも、女の子をイメージできる描写がすごく丁寧だったり、初恋をした時の恋の暴走感、上機嫌を表すテンポの良い英語、恋をしているときの無敵感が感じられて、聴いているだけでドキドキソワソワわくわくしてきます。

胸のドキドキが止まらなくて、静電気みたいにビリビリ痺れる恋愛。目が合うだけで胸が締め付けられて「今日はどんな様子だったかな」、「あの時目合っちゃったな。かわいかったな~」としきりに思い出しちゃう恋愛。

いいですね~。思春期感が素晴らしいです。聴いている人も、自分の青春を思い出しちゃうんじゃないかな。


いろいろ書きましたが、カテゴリに分けるとしたら「思春期ピュアピュア暴走ソング」といったところでしょうか。青春の甘酸っぱさを思い出させてもらいました。ありがとうございました。


また気力があれば書きます。読んでいただいてありがとうございました。

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