尾崎豊のI LOVE YOUを聴いて思うこと

尾崎豊さんは凄くピュアで、繊細で、少年のような弱さを持った人だと思う。じゃないと、こんな歌詞書けないよ。

私生活でも他人のちょっとした言動に傷ついて、人が怖くなってしまったり、距離を置いてしまうタイプなんじゃないかな。私はそういう人間で、この歌詞が凄く刺さるので、勝手にそう思いました。


この曲を聴くと凄く寂しくて、でも優しさがあって、どこか慰められる。壁にたまたま映った小さな光のような、いつ消えるかもわからない、弱いけど柔らかな愛を感じる。

例えば「失恋」「許されぬ恋」と言っても、恋以外の生活が充実してればまだ心は逼迫しないと思う。友達、趣味、仕事…。生きる支えがあれば、人間はなんとかやっていける。


でも、この曲にはそういった余裕がない。

愛する人を失ったら、本当にもう「生きる希望」がない。むしろ、愛する人といることだけが「生きる希望」のような、愛にすがる弱さを感じる。

今はただ希望がないだけで、これから探せばいい「ゼロベース」の状態でなく、むしろもう全てが悪い状態で、救ってくれる人も見当たらず、這い上がる術さえないような途方もなさを感じる。

絶望の恋を経験してなければ、「捨て猫」なんて言葉はきっと出てこない。周りに味方がいなくて、大好きだけど自分達ではこの先どうしたらいいのかわからない。未来が見えず、今目の前にいる相手しか見えてない。むしろ、現実は怖いから見ない。今の恋愛に逃げるしかなく、その恋もズタボロで、どんどん周りが見えなくなっていく。本当はそれが分かっていて、凄く怖い。そんな若さ、悲しさがある。

この歌は、本当に弱い人、苦しい人、行き場のない恋愛をしてる人を救ってくれると思う。私も救ってもらっている。

この歌を「懐かしいな」と思いながら聴ける時が来るのだろうか。胸を痛めず、思い出として聴ける時が来るのだろうか。


また。










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