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東神戸マラソンという名のファンタジー

東神戸マラソンとは?

先日、自身3回目となる東神戸マラソンに出場。

神戸の灘区と東灘区のみを走るフルマラソン、その名も東神戸マラソン。
曰く、2011年から始まった神戸マラソンのコースが発表された際「灘区も東灘区も入ってない!」ということで、「ならば、灘区と東灘区だけしか走らないマラソンを神戸マラソンと同じ日に!」という地元有志の声から始まったのが東神戸マラソン。
2万人のランナーと沿道の応援60万人という神戸マラソン。一方の東神戸マラソンは120人のランナーと沿道の応援10人未満である。
実にシュール。

開催要綱には以下のように記載がある。

交通規制 なし
信号 あり
声援 なし
生ビール あり

開会式では主催者から「皆さんは足の速い歩行者です。信号を守って、他の歩行者の方の妨げにならないように42km先のゴールを目指してください。なお、途中にはビールや泡盛などのエイドがあるので楽しんでください!」という挨拶が。

「わたし走る人、あなた応援する人」ではない

開催要綱にもあるように、沿道の応援は皆無に等しい。だけど全然寂しくも辛くもない。
コース設定が絶妙で、折り返し地点が複数あり、ランナー同士がすれ違うようになっている。
時には川の右岸左岸で川を挟みながら「ナイスラーン!」「もうちょっとでエイドありますよ~!」など声援を送りあう。
都市型のマラソン大会ではランナーと沿道の応援者はあくまでも別の存在。
だけど、東神戸マラソンにおいては、どちらもランナーであり、どちらも応援者なのである。
この同志感が実に心地よく、次の一歩を踏み出すエネルギーになる。

エイドという名のオアシス

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そして、複数地点でエイドが設置されているのだが、すべてのエイドにアルコールがある。
消毒するにはもってこいである。
地元のクラフトビールがあったり、日本酒があったり、泡盛があったり、最大規模の通称「やめてまエイド」では、ラムや焼酎も並ぶ。
エネルギー摂取に不可欠な食べ物も、実に美味しく多種多様に用意されている。
42kmを走りゴールテープを越えれば、5秒以内の地点に生ビールやスパイスカレーが並ぶエイドに辿り着ける。
各エイドを出るたびに「あと5km走ればあのエイドでアレを呑もう」と想像し、足取りが軽快になる。
オアシスを求めて砂漠を走っているような心持ちである。
感謝しかない。

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心の底から楽しいレース

とはいえ、レースであるからには自分にできる限りの力で前へ進む。
ペースの速い遅いは関係ない。
速い人はタイムを目指して、初めての人は完走を目指して。
それでも終始笑顔があふれてしまうのが東神戸マラソンという大会。
ゴールをして数日経ってもニヤけてしまうほど、心の底から楽しいレースなのである。
ランナーもエイドスタッフも主催者も、それぞれが自然体で楽しんでいる。
もはやファンタジーといっても過言ではない。

すべての人におススメしたいと心の底からそう思う。

東神戸マラソン、最高!!

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