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視覚障害者がApple Watchを買ってみた!

この記事は、Apple信者だけど、Apple Watchには手を出さなかった私が、視覚障害の進行がきっかけとなってApple Watchを購入したお話です。ただ、私の購入きっかけは、視覚障害者だけではなく、多くの人の悩みに共通する事だと思います。視覚障害の人もそうでない人にも読んで頂けると嬉しいです。

Apple信者の私

私のApple信者歴は長いです。初めてApple教にお布施をしたのは18歳。PowerPC時代のPowerBook G4をお金を貯めて購入。その後、iPod mini、iPodと順調にお布施をしていき、iPhoneは3Gからのユーザー。勿論、iPhoneはデザインの変更があるたびに初日ゲットを続けています。
日々の仕事のお供は、M1 MacBook Air、iPhoneは12 Pro、そんな私ですが、ずっと手を出さずにいたのがApple Watchでした。
Apple Watchを買わなかった理由は単純明快。使い道が思いつかなかったからです。

視覚障害の進行がApple Watch購入を後押し

そんな私が、Apple Watch 7の発売に合わせ、ついにApple Watchを購入しました。何故、Apple Watchの購入を決意したのか。それは視覚障害の進行が大きな要因です。
視覚障害の進行とコロナ禍の二重苦で不足してしまったものは、運動時間。コロナと視覚障害進行前の2018年1日平均9.1kmを歩いていた私ですが、2020年は、8.0kmまで落ち込んでしまいました。このうちの3-4kmは犬の散歩なので、犬の散歩以外の歩行距離が20%程度落ちたことになります。つまり、慢性的な運動不足になってしまっていました。
それに加えて、道に迷う頻度が急激に増えてきました。視野が狭いので、本来道を曲がるべき所を見落とし通り過ぎてしまう事が多発するようになってきました。段差とかでつまづくリスクのある私は、少なくとも片手は常に開けておきたい。右手には既に白杖があるので、左手にiPhoneを持ちながら道を確認なんて状況は可能な限り避けたい。そんな私の悩みを解決してくれたのがApple Watchでした。

アクティビティリングを完成させる

Apple Watchでは、自分自身のアクティビティの目標を設定する事ができて、毎日そのリングを完成させるように運動をしていく機能があります。
しかも、その達成状況は下の画像のように過去にも振り返って記録されるので、運動しないといけないといううすーーーーーいプレッシャーがかかり続けます。強いプレッシャーではなく、罰則もなければ、怒られる事もないもの。ストレスにはならない程度の本当に心地の良いプレッシャーです。これがあると、夕方くらいに気になってApple Watchで進捗を確認してしまう。進捗が悪いと、色々と早く終わらせてジムに行かなくては、そんな気持ちにもさせられる本当に心地の良いプレッシャーです。このプレッシャーの掛け方が本当に気持ち良いのはさすがApple様です。

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曲がる所を振動で教えてくれる

次は道案内について。昔、ガンダム駅等、なかなかな地図のクオリティーで話題になったAppleの地図アプリ。あの地図アプリも今はかなり進化を遂げていて、道案内に使っても全く危険でないレベルまで進化を遂げました(むしろ道案内の精度はGoogle Mapより良い事もある)。
そして、この地図アプリのすごい所は、iPhone上で、地図アプリを使って道案内を設定すると、Apple Watchにも連携され、曲がる所の手前35mで、振動して教えてくれます。Apple Watchの画面に曲がるべき方向や交差点までの距離も常に表示してくれるので、行き過ぎていないかなと思って、Apple Watchを見る とその不安も解消されます。歩いている時にiPhoneを取り出す必要もないので、両手が塞がってしまう心配もなく、白杖を使いながら人や障害物にぶつからずに歩く事も避けられます。白杖を使っていても、曲がり角を探す事に気を取られ、電柱にぶつかってしまう事もありましたが、Apple Watchで道案内を使っているときは、そういった事も皆無になりました。つまり、歩行時の安全性が大幅に向上されました!

テクノロジーの進化で身体障害が身体障害でなくなる

私の抱える網膜色素変性症は治療法のない病気。多分、遺伝子治療が進んでも、生きているうちに病気が治るような治療方法が見つかる可能性はほぼゼロに等しい病気です。確かに、目は見えにくくなってしまったけど、Apple Watchのようにテクノロジーの進化で、健常者と変わらない生活が送れるようになります。
技術の進化がこういう方向性に使われる事は本来あるべきだと思うし、私としてもとても嬉しい事です。もっと多くの技術が世の中に出て、身体障害が身体障害でなくなる世の中になる事を願っています。

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