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目が見えない者の王国では、片目の見える者が王になれる...

Dr. Geert Vanden Bossche 2023年12月6日投稿(substack)、12月19日(VOICES FOR SCIENCE AND SOLIDARITY)
In the kingdom of the blind, the one-eyed is king...
の翻訳です。原文を参照の上ご利用ください。
表紙画像:Image by rawpixel.com on Freepik

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エリック・トポル医師(E.Topol)の最近のSubstack記事 「From a Detour to Global Dominance (迂回路から世界支配へ)」に、私は反論せざるを得ない。

こんなことが信じられるだろうか???この高名な科学者達は、彼らが行うin vitro 中和試験が、ウイルスの免疫逃避を促進するだけの「偽」中和抗体を見ているにすぎないことに気づいていないようだ。読者はD641G抗体のレベルは高いままである一方で、オミクロン変異株に対する抗体はブーストする前には著しく低下していたのに気づいただろうか。賭けてもいいが、偽中和抗体はXBB1.5の追加接種の後、ほんの数週間で減少するだろう。しかし、彼らはそれに関するデータは示そうとしない。ELISAの結果でさえ示そうとしない!ELISAをすれば抗体がミスマッチであることと、彼らの主張する「中和」試験とELISAの結果に、類を見ないほど相関性がないことがわかるだろう。

「偽」中和は、Covid-19(C-19)ワクチンによって誘導された中和抗体からほぼ逃避する、流行中の変異株によるワクチン・ブレークスルー感染によって、かつては中和抗体であったものがブースト(再増強)された時に起こる。ブーストされて、これらの抗体の抗体価が著しく上がると、ウイルスと抗体の複合体の親水性が増すため、ウイルスの感染性が阻害される。しかし、これらの抗体は結合親和性が低い——殊に、成熟してIgG4にアイソタイプスイッチした後は——ため、急速にその感染阻害能力(すなわち「偽」中和能力)を失い、したがって、C-19ワクチン接種率の高い集団は、ウイルス感染性に対して大規模な不十分な免疫圧力を及ぼすことになる。この集団的免疫圧力が新規免疫逃避変異株の同時発生と同時流行を促し、現在の、C-19ワクチン高接種率集団における大規模なワクチン・ブレークスルー感染の繰り返しの原因となっている。ワクチン・ブレークスルー感染は、現状では、ほぼ、(極めて)軽い、もしくは、中程度の症状を引き起こすだけである。しかし、ワクチン・ブレークスルー感染は免疫再集中(immune refocusing)を促進するため、新たな、より感染性の高い変異株の発生を強く促進する。そのため、現在では、大きな、親水性/可溶性に乏しいウイルス-抗体凝集体が形成されるようになり、抗原提示細胞への取込みが促進され、細胞傷害性T細胞が強く活性化されるというシナリオが始まっている。細胞傷害性T細胞が強く活性化されることにより、ウイルスの排出は減少するが、その一方で、ウイルスの固有感染性が増していることと、軽症/無症状感染(これも細胞傷害性T細胞の活性化によってもたらされている)の発生率が高まっていることにより、ウイルス伝播は維持されている。このような状況下では集団免疫の達成は不可能である。それどころか、私が以前のSubstackに書いたように、ウイルス学的、免疫学的、臨床的見地から、このパンデミックは制御不可能な形で進化を続けているという切迫した証拠があるのだ(https://open.substack.com/pub/gvdb/p/ah-if-only-they-understood-the-difference?r=twxoq&utm_campaign=post&utm_medium=web) [日本語]。

トポル氏自身、この抗体が、どのようにして今も中和効果を発揮しているのかわからない、と率直に述べている (E. Topol: ‘this is damn lucky’ 「運が良かったとしか言いようがない」)。(数カ月前、バルーチ(D. Barouch) 医師も同様のことを述べている)。

この理解の欠如を何故受け入れられるのだろうか?死刑宣告を受け入れるようなものではないか。

フィンランド(初回接種率78%)の死亡率はスカンジナビア全体のJN.1の増加に連動して上昇しているように見える。しかし、入院率や死亡率の上昇が、主にCovid-19に関連しない過剰入院や過剰死亡であろうが[1]、接種者に対して、より病原性の強い方向にすでに進化し始めているJN.1によるものであろうが、トポル氏のいう「非常に評価の高い研究室」の無知と無邪気な楽観主義は同様に憂慮すべきものである。(どちらの現象も同じ原因に基づいている!)彼らの希望はひとえに「偽」中和にかかっている。しかしやがて医療状況から真実が明らかになれば、その希望はあっという間に消え去るだろう…

脚注:
[1] 以前に述べたように、これらの過剰入院や過剰死亡は、免疫再集中によってもたらされた可能性が高い。この現象(免疫再集中)は、mRNAワクチン接種と、主にオミクロンとその子孫株によって引き起こされたワクチン・ブレークスルー感染に起因する大規模な免疫逃避の原因でもある。(https://www.voiceforscienceandsolidarity.org/scientific-blog/immunological-correlates-of-vaccine-breakthrough-infections-caused-by-sars-cov-2-variants-in-highly-c-xx-vaccinated-populations) [日本語



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