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己が己の王であれ

人のせいにはしたくない。

今があるのは過去の自分の選択の結果なのだから、それが自分の思い描くものじゃなかったとしても、責任は自分にあると思っている。そう思って生きてきたつもりだけど、果たして本当に、自分の責任を持てているだろうかと、急に自信がなくなった。

「あの人が助けてくれなかったから、こんなことになった」

「この人があんなこと言わなければ、今こんなふうになってないはず」

そんなことを思わなかっただろうか。覚えていないだけで、きっとあるんだろうと思う。一度は誰かのせいにしてるはず。それはわたしが弱いからだし、誰かの言うとおりにしていたほうが楽だから。考えなくていいから。怠け者だったから。

過去形で言えるということは、少なくとも今は人のせいにしないで生きようとしていると思いたい。自分ではわからないから自信はないけど、そういうのはやっぱり、人と比べちゃうから出てくる気持ちなのかもしれない。まっすぐ芯が通っていれば、いらない心配なのかもしれない。『86―エイティシックスー』Ep.11を読み終わってそんなことを思った。

「己が己の王であれ」

ヴィーカがフレデリカの正体に気づいたときに、フレデリカが心に決めたことがずっと頭から離れない。わたしはわたしの王になれているか。胸を張って己自身を導けるか。そうなるために“こうでありたい”と思い描くものはあるか。そう考えたとき、一番に浮かんだのはやっぱり「人のせいにしたくない」だった。そしたらちょっとだけ、自信がついた。まっすぐじゃないかもしれないけど、わたしにもちゃんと芯はあるんだって。


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