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何ごとも一期一会

赤い服が欲しい。この冬はずっとそう思っていて、でも、赤い服は持ち合わせていなかった。

ちょうど仕事用の服を買い足そうと思っていたし、そろそろ冬物もなくなってくる頃だし、ついでに買っておこうと思って家を出た。服は何かとUNIQLOから選んでしまうクセがある。今日もとりあえずUNIQLOへ向かった。

前に手にとってやめたタートルネックのニット。そのときは、首がチクチクするかなと思ってやめたのだけど、暖冬の影に隠れてたまにやってくる寒波に耐えられず、仕事用に買って着てみたらとても快適だった。今週は寒いらしいから、タートルネックを増量して乗り切りろうと思っている。

そのついでに休みの日に着たい赤色も、と思っていたのだけど、売り場にはモノトーンしか並んでいなかった。念の為、ネットで検索もしてみたけれど、赤は表示されなかった。見間違いだったのか、勘違いだったのか。ないものは仕方ない。仕事用に黒だけ買うことにした。

「服はね、買いたいと思ったときに買っておかないと、次に買えるかどうかわからないんだよ」

高校生だった頃、帰りの電車で同級生が言っていたことを思い出した。やっぱり、手にとったあのときに買っておけばよかった。こういうことは時々ある。必要なら買えばいいのに、なぜか推し活のような勢いでは買えなくて、無駄遣いじゃないかと理性が働く。その行く末がこれなのだから、服も一期一会なのだなあと思わざるを得ない。

赤い服を着るのは、まだ先になりそうだ。

「好き」で満たす暮らしを目指しています。