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ありがとう

しばらく離れていた読書を再開して、読んだ本でオンラインサロンに興味を持った。きっと、キラキラでバリバリ仕事をする都会の人たちの集まりなんだろうと思っていた。その年は、やりたいことを全部やってみるという目標を掲げていたから、とりあえず飛び込んでみた。田舎の人見知りには、勢いでなければできないことだった。

だいぶ助走をつけて飛び込んだけれど、予想どおりのキラキラ、バリバリの人たちばかりで気後れした。アラフォーなのに、世間を知らないことも恥ずかしかった。それなら、20代、30代にできなかったことを今やってみようと思った。さらに助走をつけて、オンラインのイベントに参加した。Zoomを使うのも始めてで、親切に説明してくれていたスレッドを何度も読み返して参加した。ものすごく緊張した。

はじめましてが苦手だから、嫌なのは最初だけだった。何度も参加するうちに名前を覚えてもらい、イベントにも手を挙げやすくなった。この頃は書くことがとても苦手で、誰かに伝えることも苦手だった。とにかく伝えることがうまくなりたと思っていた。インタビューや対談の文字起こしには積極的に参加した。楽しかったのは、書いた文章をプロのライターさんに添削してもらうイベント。褒めてもらえたときは本当に嬉しかった。少し自信がついた。

あるとき、雑誌を作るプロジェクトの発表があった。どきどきしたけど、こんな機会はこの先ないかもしれないと思って手を挙げた。知らないことばかりで緊張の連続だった。掲載の許可取りで発信履歴に全国各地の電話番号が並んでいたこともあった。電話も苦手なのに、今思えばすごく頑張った。この経験は仕事にも活きていて、電話の苦手意識がなくなってすごく感謝している。がんばったものが形に残っているのはうれしい。

最後はチームのリーダーを任せてもらったけど、うまくこなせず逃げるように辞めてしまった。助けてくれた人たちに挨拶をしなかったことはずっと申し訳なく思っている。

若いときにできなかった経験をさせてもらったこと、みんなで雑誌『サウナランド』を作ったこと。楽しいこともつらいことも全部、大切な思い出になった。あのとき、思い切って飛び込んで良かった。

箕輪編集室で交流してくださったみなさん、こんななんの取り柄もない田舎のおばさんに居場所を作ってくれてありがとうございました。


「好き」で満たす暮らしを目指しています。