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自走するチームの作り方

今期のキックオフ資料に「自走するチームへ」という目標が書かれていました。

確かにその通りだし、事業の成功には欠かせないなと思ったんですが、あれ?じゃあ具体的にどうすればいいんだっけ?と疑問に感じたので、どうすれば自走するチームを作ることができるのかについて考えてみました。

自走しろと言われて適切に行動できる人は(ほとんど)いない

おそらくメンバーが自走することに異議を唱える人はほとんどいないでしょう。特にスタートアップやベンチャーなどの不確実性が高く変化の激しい現場ならなおさら主体的な行動が求められます。

皆が同意するような正しい方針なんですが、方針として打ち出すだけじゃあ具体的にどうすればチームをその状態に持って行けるのか?という部分がイメージできないのではないでしょうか。

私はメンバーが個々人で自走するためには適切な情報共有チーム(または組織)の方向性の理解が重要だと考えています。


自走するチームとは?

そもそも自走するチームとはなんなのか?どんな状態?実在するのか?

目標を定義しないことには登っていけないのでどういう状態が自走するチームなのかについて考えてみます。

・自分のミッション(タスク)についてセルフマネジメントで達成まで持っていけること
・必要な情報は自分で取りに行き、適切なタイミングでチームに情報共有が図れること
・組織やチームが抱える課題をフォローし、全体最適化をはかれること

上2つはその人自身が自走できる状態を指し、3つ目はチームの最適化のために個々人が動けるようになるということです。


まずは個人が動ける状態を作る

じゃあ次はどうすればその状態に持って行けるか?という視点で考えてみます。

自分がメンバーの立場だとして、自走するためには何が必要だと感じるでしょうか?

まず間違いなく自分の役割が明確であってほしいと願うでしょう。

ここでは細かい作業レベルの指示というよりも、自分はチームの中でどのように貢献していけばいいのかどのような動き方が期待されているのか、ということを各メンバーに明確に伝えておくことが重要です。

自分の中で理想の状態がイメージできれば、そこにむかって行動することができます。
常日頃からチームのメンバーとそれぞれの役割と期待することについてディスカッションしましょう。

2つ目は自分で情報を取りにいける状態にするということです。

そのメンバーのミッションの達成にはどんな情報があればいいのか?誰とどういう情報を共有すればプロジェクトが前に進むのか?ということを考えていきます。

ここでチームのマネージャーが考えるべきは情報をどうデリバリーするか?ということです。

例えば開発サイドとビジネスサイド、デザイナーとエンジニア、など役割が異なるメンバー同士が適切に情報の共有ができるようにどう情報管理すべきか?どのような会議体で、誰がどのようにファシリテーションすべきか?について考える必要があります。伝えるべき課題の粒度、タイミング、スコープなどを全体を俯瞰してコミュニケーションルールをデザインします。

ここで重要なのは、メンバーのやりやすさはもそうですが、事業を成功させるためにはどうすべきか?という視点で考えることです。

例えば顧客からのフィードバックをプロダクトやサービスに生かしたければ営業やカスタマーサクセスと開発チームをどうコミュニケーションさせるかという視点でアプローチします。

上手く情報共有されるようになると、逐一担当者を探して聞きに行ったり、伝達の齟齬による無駄が発生したり、情報の非対称性によるコンフリクトなどが減りますし、現場での意思決定のスピードも上がります。

また適切なコミュニケーションルールがデザインされていると各メンバーも動き易くなり、アウトプットの質も上がるのでおすすめです。

全体最適な動き方がイメージできるようにする

最後はそれを個人レベルじゃなくて全体最適な動き方ができるようにするにはどうすればいいかについて考えます。

チームのために動きたくてもどう動けばいいのか聞きながらだと、結局指示待ちになってしまいます。

ここには二つの問題があると思っていて、一つはチームの正しい方向がわからないことともう一つは自分がどこまで判断していいのかわからないことです。

チームの方向性についてはメンバーがしっかり理解するまで徹底的に伝えてください。今期はこれをやる。チームの最優先課題はこれだからこれをまず解決しよう。といったメッセージをチームに共有し続ける。これはチームが目指すべき方向を示してメンバー同士の意思決定のずれを無くすためのものなので浸透しなければ意味がありません。尚且つその目標に向かってチームとメンバーが走れているのかどうかを定期的にチェックする必要があります。最近注目されている手法であるOKRを使ってもいいかもしれません。

あとはメンバーそれぞれがどこまで判断して進んでいいのかを明確にし、普段からよくディスカッションしておくことが必要です。

チームとして目指すべき方向がわかり、適切な情報を得ることができ、かつどこまでやっていいかが明確になっていれば細かい指示がなくても各メンバーが全体最適化を目指して進んでいけるようになります。


終わりはない

チームや組織の作り方はどこの会社でも問題になりますね。事業のフェーズや規模、チームの構成などによっても様々ですし、絶対的な正解はない分野です。

とはいえここを避けていてはチームが飛躍できないので、諦めずに日々試行錯誤していくしかありません。

個人的には情報管理とコミュニケーションデザインについては、地味ですがこれをやり切れているチームはあまりないのでは?と思っているので、ぜひトライしてみることをお勧めします。

自分もまだまだ勉強中ですが、もし誰かの参考になれば幸いです。

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