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日記_152

2018年から3年ほど店長を務めたコワーキングスペースが3月いっぱいでクローズしたので、最後に見に行くことにした。

突然のことだったのでいまだにあまり実感は湧いていない。一目見たいという恋焦がれる感じではなく、どちらかというと弔いに近い感覚だった。多分弔ったのは場所でなく、この場所で過ごした自分。

東京駅からわかしおに乗って、バタバタとニ拠点生活をしていたのを思い出したり、急に土地が緑に飲み込まれる風景を懐かしく感じたりした。
まだ身体の感覚は残っているようで、自動改札のない駅からタクシーに乗るところまで無意識で身体が動く。

スペースの撤去作業はスタッフ陣が手際よく終わらせてくれていた。久し振りに会った人たちとこれからどこに行くのか、今はどんな仕事をしているのかゆるゆると話す時間を過ごしたり、運営していたシェアハウスの撤退を少し手伝ったりした。

ここは自己肯定感が低い状態から、自分も何かできるかもしれないと思えるようになった場所。私みたいな人が脳みそに汗をかいて、みんなと遊んで、たくさん育った場所だったと思う。

話を聞いていたら、ふと場所がなくなっても大丈夫だな、という気持ちになった。
今後別の地域での活動を検討している人たちがいたからかもしれない。
自分がどの地域に根を下ろすかはまだわからないけど都会でないことだけは確か。クローズドになりがちなローカルの活動をするなかで、同じ時間を過ごした価値観の揃っている人たちが全国に散らばっている状態はすごくわくわくする。

物理的な場所はインパクトも引力も強いから、すごく執着していた時期があった。自分がもっと魅力的な人を呼んでこれたら、もっと仕事をつくる力があれば、もっと人を育てる力があれば、ここはずっと続くんじゃないかと考えていたこともあったけど、多分ここは役目を終えたんだと今は思える。きっとみんなにとって窮屈な状態になっていたんだな。

そんなことを考えていたら次に書きたい本のイメージが湧いてきた。まだ文章を書く期間が続きそう。

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