大人たちよ、子供の声を聞け

2010年8月31日。
これは私のある記念日である。

私がはじめて自殺未遂をした記念日

そう。高校2年の夏休み最後の日の夜、私は家にあった柔軟剤と漂白剤を飲み、自殺を図った。
「学校に行きたくない」
その一心だった。

「学校に行きたくない」と言うお子さんはたくさんいるだろう。
そんなお子さんをもつ親御さんに私はどうしても伝えたいことがある。

あなたはなぜ学校に行かせようとしているのか?

「勉強をしていないとあとで困るから」
「将来なりたいもののために」

あとで、将来、今後……
大人は未来を見るのが大好きだ。
では、「学校に行きたくない」と思っていた子供の未来を私が見せたいと思う。

私は学校に行き続けた。
そして、名前を言えば誰もが知っているような有名大学にストレートで合格した。
でも、私は高校時代の日々を思うだけで眠れなくなり、手首を切るようになり、一人暮らしの部屋で首を吊った。
友達も、自殺未遂をきっかけに離れていった。
命はなんとか助かったものの、私は社会復帰はできていないまま、26歳になる。

これが、学校から逃げることができなかった人間の末路のひとつである。

大人たちよ。
あなたの大切な子供がこのような人生を送る可能性について少しで構わないから考えてやってほしい。

大人たちよ。
将来というのは、全員に平等にある訳ないことを、知っているだろう。
健康な体とこころがなければ、なにもできないのである。
もし、本当に死んでしまったら、将来も未来もなにもかもなくなってしまうのである。

大人たちよ。
「学校に行きたくない」
そう語る子供に「将来」と口にしてはならない。

大人たちよ。
子供が自殺しないなどと思い込んではならない。子供は死のうと思えば死ぬ。
将来も生きていることを前提になにかを語ってはならない。

8月31日が、あなたの大切な子の命日にならないことを、私は心より祈っている。

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