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どうしてドイツに来ちゃったんだろう|#3 パンデミックでの延期と準備

2021年10月、コロナ禍にもかかわらずドイツに降り立ってしまった口腔外科専門医(アラフォー)。短期留学プログラム (AO CMF Fellowships) へのアプライ、パンデミックによる二度の延期、実際にドイツにたどり着いてからの顛末をお届けします。
第3回は Covid-19 パンデミック による2回のキャンセルと、本決定以降の準備について。

前回の記事はこちら。

この記事を書いている2021年11月12日現在、ドイツは Covid-19 の新規感染者数が1日5万人を越え、異次元に突入しております。当地では相変わらず屋外ではマスクはしないし、週末はみんなで旅行するし、あまり気にしていない雰囲気ですけど。

1. Covid-19 パンデミックによる延期

2019年12月に中国で発生した肺炎の集団感染が、未知のコロナウイルスによるものということが判明し、ダイヤモンド・プリンセス号での集団発症で日本中が大騒ぎになったのが2020年2月のこと。

徐々にヨーロッパでの感染者数も増加し始め、3月12日、ホストクリニックであるハノーファー医科大学(MHH)から
「外部からの人の受け入れをすべて中止することになった」
と、キャンセルの連絡が届きました。

当初は「半年後ぐらいにおいでー」という雰囲気だったのですが、ご存知のとおり世界を巻き込むパンデミックとなりまして。

いったんは2020年10月に延期されたものの、7月に MHH の秘書さんから「来年に延期する?」という連絡が来ました。

ところが、これに対して AO CMF から
「あかん。翌年に持ち越したら、来年の席が1個減るんやで」
と”待った”がかかります。

日本人的に飲み込もうとも思いましたが、折角のチャンスを逃すまいと、
「規定でそうなってるのは知ってるけど、状況が尋常じゃないだろ。今回キャンセルしたら年齢制限(40歳)で引っかかりかねないから嫌だなー」
とゴネてみました。

その後、AO CMF と MHH の間で実に1ヶ月に渡る交渉があり、2021年への延期が決まったのでした。

(この間のメールでのやり取りは、のちに Cc で知ることとなり、両者が本当に親身に考えてくれていたことに涙しました。)

2. 新たなスケジュールの決定

年を越して2021年5月に入り、10月25日から12月17日という新たなスケジュールの提案がありました。

クリスマス休暇直前の期間を指定してきており、
「もう2022年には繰り越さへんぞ」
という AO CMF の強い意気込みを感じる提案です。

職場の上司、家族の承諾をとり、 AO CMF に連絡を取ったところ、ほどなく MHH から受け入れ許可が得られたとの返事が届きました。

8月、当初の計画の際にもリクエストのあった書類の再作成依頼がありました。

・Application as visiting doctor
・Personal record
・Criminal record
・Medical certificate
・パスポートとビザのコピー

今回はこれに加え、ワクチンの接種証明書医療保険と自賠責の加入証明書を送るようにとの指示が。

この中のいくつかについて解説します。

3. Criminal record (犯罪経歴証明書)

海外で仕事をしたことのない方には馴染みがないと思います。

過去の犯罪歴の有無について、住民登録のある都道府県の警察本部(東京都なら警視庁)まで出向き、作成してもらう書類です。

通常は相手国の公的機関(大使館、移民局など)の要求がなければ作ってもらえないのですが、医療行為のために渡航する際は作ってもらえます。

私はたまたま県庁所在地に住んでいるため、それほど苦労はありませんでしたが、指紋採取があるため本人が平日昼間に行く必要がありますので、けっこう面倒。

なお、作成にあたって必要なものは

パスポート
氏名、住民登録地が確認できるもの:住民票、マイナンバーカード、自動車運転免許証など
証明書発給の必要性が確認できる書類:医療目的の場合は受け入れ先の院長や教授の署名の入った要望書(PDFでも可)

です。

4. ビザ

ビザは日本人の場合、ドイツを含むシェンゲン協定の加盟国かつ3ヶ月以内の滞在雇用契約がなければ不要です。

つまり、奨学金を受ける場合でも3ヶ月以内の短期留学であれば不要。

シェンゲン協定についてはこちら

大阪のドイツ総領事館に問い合わせ、労働局 (Bundesagentur für Arbeit) に問い合わせるように指示され、回答が来ず、移民局 (Auswärtiges Amt) に問い合わせて回答をもらいました。

移民局にはいろいろあって2回確認しましたので、間違いありません。

本当にめんどくさかった。。

5. ワクチン証明書

こんなものが不要になる世の中が早く戻ってきてほしいものですが。

私が渡航する際(2021年10月)には、羽田空港でのチェックイン時から提示を求められました。

なお、ドイツ国内では2Gという、ワクチン接種者 (Geimpfte) と感染後回復者 (Genesene) しか飲食店、公共施設、ホテルに入れないというルールが敷かれています。

ちなみに私は日本の接種証明書を PDF 化して iPhone に入れて持ち歩いています。

和英併記なのですが、日本語ばかり目につくらしく、
「日本語じゃわかんねーよw」
みたいに言われますが、通してくれます(このあたりの緩さがドイツの感染増の一因でもあるように感じる)。

6. 医療保険

ネットで入れるやつでいいです。安くて早い。

7. 医師・歯科医師自賠責

日本国内の医師・歯科医師自賠責保険は海外での医療行為には補償が効きません。

ヨーロッパの保険会社数社に問い合わせましたが返事が1社しかなく、Medical Excellence JAPAN という法人から加入できます。

といいながら、私自身は「自分の責任で手術をするわけではないから要らないんじゃない?」と MHH から言われたため、加入しませんでした。どっちやねん。

8. その他に準備したもの

航空券

今回、航空券は Expedia で購入せず、ANA のサイトから ANA と Lufthansa を乗り継ぐ便にしました。
というのも、前回 Expedia 経由で購入した Finair のチケットがいまだに返金されていないからです。
クーポンに変更されたんですが、Finnair もう飛んでないし。
文句はないです。リスク込みでの格安チケットですので。

アパート

こちらも今回は Airbnb は使いませんでした。
理由は色々ありますが、やはりキャンセルすると大家さんに申し訳ないのが一番です(返金してくれるので)。
学内の学生寮を借りています。

Visa デビットカード

ながらく現金主義と言われていたドイツですが、近年では Kontaktloses Bezahlen と呼ばれる非接触型決済が普及してきています。


スマートフォンで支払ってる人はあまり見ません。
海外での決済が可能なデビットカードを作っておくと、非接触型決済だけでなく、 ATM で現金もおろせるので便利です。

Wi-Fi ルーター

私が入居している学内のアパートにはインターネット環境がないため(テレビもない)、Wi-Fi ルーターは必須でした。
国内業者は2ヶ月で8〜10万円と高額だったので、フランスの会社でレンタルしました。

100GB/月 × 2ヶ月で €299 でした。


今回はこのへんで。

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