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連作短歌「筆記体」

降りながら消える花火の歩いても歩いても遠くならないひかり

盲目の男の夢のすみっこに残ったひとりのようで、祈り

シャンプーのにおいのつづく明け方にとつぜん読めるような筆記体

燃えるごみ火曜金曜めくるめくずっと寝ている霞のなかで

昼休みに読むのにちょうどいいような黄色い本をいつか出したい

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