紺

連作短歌「畦地梅太郎/九月の空気」

歌いだす一瞬前のような眼でこれから登る山を見上げて

見えるものと見えないものが滲んでく滲んで遠い山の呼ぶ声

複数であるということ この星がふうわり浮いたような鳴動

噴水を囲む九月の空気たち 九月の空気を噴水が囲む

静かさと一緒に立っているような濃い緑濃い青あとりえ・う

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?