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自選歌抄

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自選百首②

オリジナルのハンドサインを向けられても伝わらないってわかりますよね むかしむかし発掘されたガラケーを梅酒に浸して無限に嫁ぐ カーテンを未来に過去と会いに来て平泳ぎには愛が速すぎ 要するに犬が二人で手を繋ぎ傘を丸めて公園を消す 流れ着く港を選ぶことなんて世界の中じゃ眩しいことさ 思い返せば、君とわたしのあいだには、常に誰かがいて喋ってる それはまるで君がわたしに出会うまえみたいな朝で、とても自由で 昨日まで君と食べてた肉まんの匂いが嫌になり投げ棄てる 雪合戦した