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NPO事業報告のざっくりとした解説

結婚相談NPOの影山です。
note、約2年放置していたようです。

今年の事業報告を終えて「あれ?事業報告についてnoteに書くと宣言していたような‥」と思い出し、戻って参りました。

今年は新型コロナで大変でしたね。
こちらのnoteをご覧になる方はNPO関係の方、もしくはこれからNPOを開始される方が大半だと思いますが、順調でいらっしゃいますでしょうか?

うちはオンライン化やリモート化など、コロナ前からそれなりに対応をしてきたつもりですが、それでも打撃は大きく、「よく潰れなかったな‥じわじわ倒産に近づいて行かないようにしなければ‥」と日々、熟慮しています。

さて、多忙な時期ではありますが、2年前の宣言を実行に移したいと思います。

結婚相談NPOの決算日は毎年8月末です。8月末という事は10月末までに決算を終わらせて税務申告をし、更に1月後の11月末までに所轄官庁に届け出をしなければなりません。

3月末決算のNPOの場合は、それぞれ5月末までに決算、6月末までに届け出という事になりますね。

うちの場合は新宿区に団体登録をしているので、決算日の4ヶ月後、12月末までに新宿区に報告が必要です。

あとはテックスープさんですとか、内閣府のNPOホームページとか、Canpanさんの情報更新などなど、色々とありますが、その辺りは義務ではないので割愛しましょう。しかし、NPOは年度末が本当に大変で、これは営利企業経営時代と比べても面倒なのは間違いありません。

その理由はおそらく「税理士さんに丸投げ」などのアウトソースがし難い事に起因しているのでしょう。

完全な想像ですが、大半のNPOが「NPOにしなければ良かった‥」と後悔するのも、この時期なのではないでしょうか?

■結婚相談NPOの事業報告先とタイミング

さて、コロナ禍で郵送申請の団体が過半数だと聞きましたが、その場で対面で確認をいただきながら最終の押印をしたい私は、2020年の報告を以下のスケジュールで行いました。

●2020年11月25日:東京都
●2020年12月1日:法務局(新宿出張所)、新宿区

法務局の申請はおそらく大抵のNPOは2年に1度で良い筈なので、何事も無ければ来年は行きません。

そもそも何の為に行くか?というと、登記事項に変更もしくは更新が有った時に行かないといけない訳です。私はたまたま昨年も電子公告の有効化で定款の変更があったので行きましたが、一般的には理事の更新・重任の時に行く事が殆どでしょう。

そのタイミングや方法はNPOによりますので、所属されているNPOの定款をご確認ください。

参考までに理事会は10月15日に実施、年次総会は11月16日に実施していて、総会が荒れたらどうなるの?というのは、その時に考えようとしています。NPOの場合、公平性が問われますが、議決権の付与だけは慎重にしないと乗っ取りも容易いので気を付けましょう。「NPOが株式会社よりも乗っ取られ難い」という法則は、あくまで定款次第です。

結婚相談NPOでは面倒を避け‥いや、無駄を省き効率化を進める為、理事は理事会で決定し、年次総会で報告という形になっています。なお、役員の任期は11月末までというのがポイントです。

■届け出を1日で済ませる事は可能か?

多忙な皆さんは2日もかける事は無駄だと思いますよね?
結論から申し上げますと、鍵は法務局で、任期次第では出来る筈です。

結婚相談NPOでは1日で済ませる事はできません。(できるならば教えて下さい)
何故か?というと、重任申請は新しい任期が開始した日以降でないと実施できず、結婚相談NPOの場合、

所轄官庁への報告>11月末まで
法務局への届け出>12月1日以降

でないといけないからです。

恐らく、理事の任期を変更しないと無理な訳ですが、短い期間で「理事会>決算>総会>届け出」という流れをこなす事を考えると、それはそれで大変です。

下手をすると3日も4日もかかるので、手順良く済ませましょう。

■所轄官庁(東京都)への届け出

ここは触れない訳にはいかないものの、当noteの本題では無いと思っています。所轄の要求する物を出すだけ。東京都の場合はこちらに全て書いてあります。

基本的には前年度の事業の報告と、次年度(今)はこんな予定で頑張っていきます!というのを都民に伝える為の手続きです。

おそらく、面倒なのは活動計算書、貸借対照表、財産目録あたりですが、我々は税理士さんに丸投げなのでアドバイスできません。申し訳ございません。

税務が苦手な方はとりあえずfreeeがお勧めです。(一方で税理士さんには不評らしい)ちなみにエクセルで済ませている団体も多いらしいので、絶対必要とは思っておらず、業務への貢献度的には会計freeeよりも人事freeeの方が助かっています。

■法務局への届け出

おそらく、ミスが一番多いのは法務局の手続きなのではないでしょうか?
色々と面倒で、法務局の方達も大変だなぁ‥と思います。

新宿という土地柄か、日本語が微妙な外国人の方が隣りの窓口で「何も分からない‥」系の相談をしているのを見かけると、職員の方のメンタルが心配になります。

法務局の届け出でのポイントは「公式テンプレが引っ掛け」である事と、「事前のオンライン申請が面倒」な事だと思います。

職員の方には申し訳ありませんが、システムがひど過ぎて、少なくとも改善されるまでは私はオンライン申請を避ける事にしました。

必要なのは定款の届け出と、理事選任の届け出ですね。

定款は変更が無くてもコピーを提出しなくてはいけません。
このコピーには「直筆」で「これは当方人の定款に間違い無い」文面を記述、「理事長 〇〇 〇〇」と署名した上で、丸印を押さなければいけません。また、各ページには割り印が必要ですが、一番確実なのは丸印を窓口に持っていく事です。その場でホッチキスで問題ないのですが、詳しくは行政書士さんのホームページを参考になさってください。

面倒なのは理事選任の方です。

NPOの場合、理事は3名以上いる必要がありますが、登記が必要なのは代表権のある理事だけです。結婚相談NPOの場合は私だけという事になります。

就任承諾書の添付が必要となりますが、すごく真面目な事を言うと、押印のタイミング(記載の日付)は新しい任期開始日以降でないといけません。実務的には届出者=代表理事で無い場合、「理事の選任時(結婚相談NPOの場合は理事会)」に押印を済ませたいと思うので、その場合は文言を「私は、令和〇年〇月〇日開催の貴法人理事会において、貴法人の理事および理事長に選任されたので、令和〇年〇月〇日をもって、その就任を承諾します。」と過去の決定と未来の予定を交えた文面にしないといけないようです。

届出者=代表理事のように、すぐ押印が貰える状況であれば、「私は、令和〇年〇月〇日開催の貴法人理事会において、貴法人の 理事 および 理事長 に選任されたので、その就任を承諾します。」で良いでしょう。

テンプレの引っ掛けは何の事か?と申しますと、別紙ありきの文章になっている事です。物凄く理事が多い(数十人単位)団体は理事の名前を別紙にするようですが、大半のNPOは1人になる筈なので、別紙は不要です。その場合、「1.登記すべき事項」のところに「理事が下記のとおり重任<改行>理事 〇〇 〇〇」と書けば終わりです。印鑑証明書も新任の時しか必要ありませんので、重任の場合は「総会議事録(理事会で決める場合は理事会議事録)、定款、就任承諾書」だけで良い事になります。

■登録自治体(新宿区)への届け出

新宿区の担当部署はとても印象が良いです。応対が丁寧なだけでは無く、公務員あるあるで担当者が変わっても、部署として年々改善されている事を肌に感じます。

結婚相談NPOが初めて登録した頃、手続きはかなり!!面倒でした。
ところが「これ、東京都へ届け出てるのに何でもう一度、こっちに報告しないといけないの?無駄じゃない?新宿区向けに別の資料提出も求めるの何日もかかって負担なんですが?他の団体はこんな面倒な事を本当にしているの?」など、モンスターっぷりを発揮していたところ、それのお陰か?は分かりませんが、これも不要あれも不要となり、今年などは2分ほどで完了しました。(当時のご担当者様、面倒をおかけして申し訳ございませんでした。)

実際には、報告を怠る団体が多くて悩んでいたようなので、手続きの変更にはその影響が大きいのでしょう。多くのNPOが窓口手続きでは無く、郵送(しかも普通郵便)で送りつけて終わりのようです。特にNPOにとって紛失=致命的な書類提出も無いので、私も来年からは普通郵便で終わらせるかもしれません。

これは正直、自治体によるのだと思います。面倒な自治体でしたら私はメリットと天秤にかけて、登録をやめると思いますが、こと新宿に関しては、登録をお勧めします。素晴らしい!

■まとめ

誤字・脱字もチェックしていない乱文ですが、以上となります。

今年も無事に面倒極まりない年度報告が終わりましたが、内容たるや燦燦たるもので、7期連続赤字でした。

NPOの運営健全化は永遠のテーマですね。
皆さん、新コロに負けず、頑張りましょう!

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