[超短編小説]贖罪の犠牲者
世界が終わる日に偉い人は最後の希望を私に託したと言いました。終わる原因になった研究者は感謝を言葉にしました。世界中の誰もが憐み、安堵し、希望を抱くなか君は一人違いました。泣いて、泣いてもう涙も枯れた君は私の手を離さない。離して欲しい、君を巻き込みたく無いから。そう言っても君は手を離さず寧ろもっと強く手を握ったのです。仕方ないなぁと寂しがり屋な君と共に終焉を迎える世界を救う犠牲となり炎の中で手を取り合い燃えたのです。どうか次は君と幸せになれますように、私と君が居なくなるこの世