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[超短編小説]ふたりぼっち

 私はユウラに出会うまで孤独だった。雪の日、彼女に出会いそして恋をした。そう、今日の様にふわふわの雪が降り地に固まる寒い冬の日だった。
「雪は何色?」
「綺麗な白だ」
「そうなの」
 優しく微笑んだ彼女の瞳は機能しておらず私の言葉で世界を見ている。
「ユウラ、君が私の生きる理由だ」
「私にとってもシュウは大事な人よ」
 陶器の体を動かして私の天使は言葉を紡ぐ。
「だから最後は私を壊してね、共に終わりを迎えましょう?」
「ああ、勿論だとも」
 暖かい己の手と対称的なユウラの冷たい手を温めるように握った。