ナウシカしょかん

ナウシカを人生で初めて見てきた。こいつマジかと思う方もいると思うが嘘じゃない。日本に生まれて日本の文化にどっぷりしっかり浸かりながら育ってきていてもナウシカを見たことがない奴がここにいる。はっきり言って文化とかそんな修飾語が不要なレベルで日本の社会でマイノリティである。ある意味日本の大衆の間で常識にまで昇華した作品だと思う。

そんな自分が、このコロナ禍にスタジオジブリが「一生に一度は、映画館でジブリを。」なんてちょい胸熱なキャンペーンを打ってきたため売り言葉に買い言葉並みの速さで先週からジブリ課金をし始めた。毎週水曜日の10時にネットで一番後ろのど真ん中の席を買い12時10分から2時間かけてジブリを見る。最近のルーティーンだ。

ということで人生初ナウシカをキメてきた感想を下に書いていく。

メーヴェ

ナウシカといえばメーヴェ、メーヴェといえばナウシカ。ほぼ何も知らない状態でもメーヴェとかいう白いやつに乗るくらいは知ってたが実際に動いているのを見たら楽しそうすぎる。なんだあの飛行物体。

この記事に少し書いたのだが、いっぱしの旅好きのため古今東西乗り物は大好きである。飛行機だけじゃない。車もそうだしバスも好き。船も酔うけど好き。なんならジェットコースターも嫌いだがちゃんと乗る。恐怖にすら勝利する乗り物への欲が尋常じゃないのだ。

ということでメーヴェは乗りたい乗りたい乗りたい状態である。超かっけー!という感想が一番最初に来るのは我ながら本当プリミティブである。空への憧れが詰まっている。空への夢。

鬱展開パラダイス

なんだこの鬱展開と言いたくなるような絶望に次ぐ絶望を叩きつけられる展開は初めてだった。ネタバレを嫌う方もいらっしゃると思うので詳しくは書かないがナウシカの世界の救いようのなさは本当にえげつないと思う。何一つ解決を求めていない。しかしこれがいい。考える余白がある。無理にオチをつけようとしてごちゃごちゃに詰まった映画よりマシである。

ミリタリー・ミリタリー

監督の宮崎駿はミリオタとして知られている。(「風立ちぬ」公開時に知った。)そのためか飛行機や武器の描き方が非常に細かい。私はミリオタではないので「お、これはこれこれこうだな。やるじゃないの〜。」などと言ったことは全くわからないが圧倒的な知識と書き込みだった(と思う)。

タイムカプセル

今回のジブリ作品の映画館での公開は私にとっては大事な体験だった。自分がこの世に生を受ける前にできた作品は普通は映画館では見られない。VHSかDVDかストリーミング、もしくはロードショーくらいしかないのだ。

ナウシカが公開されたのは1983年、私は生まれていない。だからこそ今回はいつも映画館に行くのとは違い特別だった。もしかするとこれを逃したら二度とナウシカが映画館で公開されることはないかもしれない。そう思うとこれはまるでタイムカプセルを開き中身と挨拶する体験だった。家で見るのと映画館で見るのとでは大きさも音響もまるきり違う。ナウシカを見たあの空間は1983年と2020年が混在する不思議な空間だった。




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