日々生活、ときどき創作-1

朝起きて仕事行って、帰ってきてご飯食べて夜ときどきガラス焼く。 同居人は年老いてきた家族が一人、うまくいくこともあれば、もめることもあり。 そんな私のときどきの雑記帳。 

 【ガラスのお話】1 ~スタート編~
工房での体験レッスンではすべての必要なものが机の上に揃っておりました。後はバーナーに火をつけてガラスを炙るだけ。そんな至れり尽くせりで始めたガラスの加工。でも、私の他にもガラスをやってみたい人がいるかも知れないので自宅で始めるまでを書いておきます。

ガラスには種類がある。私が扱っているガラスはボロシリケイトガラスと言います。これは硬質ガラスの代表的なガラス。でも、そんな言葉や分類はガラスを扱うようになるまで知らんかった。ガラスには種類がある。

硬質ガラスは世間的な周知度でいくとコーニング社の商標名のパイレックスだと思う。このガラスのいいところは熱衝撃に強く、耐薬品性にも優れているところ。

つまり、乱暴に扱ってもかなり大丈夫。つまり、落としてもたやすくは傷つかないし、いきなり素材のガラス棒を高温の炎に突っ込んでも割りと平気だし、作っている途中に手間取って冷めてしまっても簡単には割れない。(ガラスはこの熱する⇔冷える、という温度変化で割れるので冷やす行程はとても時間をかける)失敗してもある程度までならやり直しも出来る。大雑把な人間にはとても助かる素材だ。学生時代、工作で深い考えなしに素材をアバウトに切ってしまい、困ってしまうような人間にはピッタリなのだ。

でも、家庭で扱うには一つだけ「酸素」という壁がある。医療用のボンベとかアクアラングのときに背負うボンベのあれだ。

ボロシリケイトガラスの融点は超高温。加工に適した温度は750~1,100度と埼玉大学の総合技術支援センターの入門書に書いてあった。この高温の炎を作る道具が酸素バーナー。教えていただいた工房では背丈ほどの酸素ボンベを2本設置してあった。

でも。でも・・・である。

家にあれを置くところなんてない。第一、業者が売ってくれない。習っていた工房の業者を始め、市内の業者に聞いてみたが一般家庭には工業用酸素を扱わせてくれないそうだ。確かにガスボンベ=「爆発事故」とか危険なイメージがある。次に家主である親の説得。バーナー=火炎噴射機のイメージ。でも確かに炎は扱うが、バーナーというものは意外とそれから何かに燃え移る危険はほぼ無い。むしろ危険なのは自分の火傷。炙った後の熱いガラスが冷める前にうっかり触ってビックリするくらい。それさえ気をつければ意外と小さなスペースで十分なのだ。(ガラスを始めてから今まで、切ったり火傷したりしたことは無いのです)

結果としてボンベの代わりに酸素発生機を購入。お高い。予算を大幅に超過。でも酸素が無いとガラスを加工出来ない。背に腹は代えられない(涙)こうして何とか最低限の道具を揃え、ヨタヨタと自宅製作をスタートしたのでした。

◎参考までに私が当初揃えたもの

・酸素バーナー(木下ブルーバーナ)→PLガスと酸素発生器を使用

・作業用の机→自宅にあった古い事務机にインスタで拝見していた本業は大工さんのガラス作家さんに耐熱板を分けていただいて机上と前を保護しました。(この相談した大工さん、とても優しい方でした。)

・ガラス棒、ピンセット類→(お世話になった工房さまより無償提供いただき、当面のものが揃いました。ガラス工芸札幌さま感謝しております。)

・タングステン、マーブルモールド、つぶつぶ徐冷材

・ガラス置き(鉄製釘抜を代用)、水入れる器(コーヒーカップ使用)、四角い鉄製空き缶(作業台代用)など

・保護用メガネ → バーナーワーク専用の保護メガネが必要です。実は目に見えないけど、目に悪い光線がガラスを炎で焼くときに出ます。私は単なる眩しさ対策とガラス破損に備えてのカバーくらいと思ってたので当初は普通のサングラスや裸眼で作業していたのですが絶対にダメです。後々白内障の原因となったりするそうです。だから、これは高くても必ず入手して目を保護してください。そして目が楽です。(高名な作家さんのデモで教えていただきました。大鎌先生、ありがとうございました。)

こうやって書くと苦労が感じられませんが、当初PLガスのボンベ一つ買うのも大変でした。カセットボンベ買うみたいなつもりだったのですが、ガス圧調整器とか必要なんですね。なんも知らんかったけど始められるものです(笑)


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