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『まよなかあひる』聖地巡礼@広島・尾道

台風に翻弄されながら、
「WESTERポイント全線フリーきっぷ」の旅をすることにした。最初に行くのはnote小説の聖地巡礼。気に入った作品で出てきた場所を記事を頼りに巡ってみる。

京都、大阪から新幹線で

山陽新幹線みずほ号
赤いJRマークがあったら九州所属のN700系。
車内のポスターに博多華丸大吉がいるところもそう。
福山駅
のぞみの停車駅でお馴染み
山陽線115系普通列車
消えそうなのに、まだわりといる。
向島大橋

新幹線で福山へ。そこから普通列車で少し西へ。

尾道駅

尾道駅
山側の駅舎はこぢんまりしてる。

やってきたのは尾道駅。坂と海の風景が美しい街として知られ、「しまなみ海道」への玄関口として多くの観光客で栄える。この街に来た理由はズバリこれ。

皐月まうさん作note小説『パン屋 まよなかあひる』で登場する街のモデルになってるから。物語上で具体的な街の名前は出てこないが、あとがきで尾道をモデルに制作したことを公言している。この記事に載ってる場所を2日かけて巡ってきた。

そり立つような急勾配

一応こっちって書いたる。
こりゃしんどい🥵

まずは千光寺公園にある展望台に登ってみる。ロープウェイが出ているのだが、17時15分の最終には間に合わなかった。しかしなんとしても行ってみたくて、歩きで登ってみることに。

最短ルートを選ぶと思いがけない急勾配だった。僕の母方の実家も大阪の「千里丘陵」という坂ばかりの土地だったが、それの10倍ぐらい。ここまでの坂道は初めてだし、少しナメてた。

ネコがおる。

千光寺展望台peak

20分登って展望台に到着。らせん状のモダンなデッキが出迎える。この上に登るとすごい。

台風が来てるとはいえ、素晴らしい夕焼けを拝むことができた。いい感じに風も吹いていてけっこう心地いい。

上から見る山陽線

大蛇のような貨物列車
文学のこみちから捉える山陽線

真下を見ると山陽線が見える。模型のように見える普通列車と貨物列車が行き交う姿とバックの海は絵になる。

この光景はまさに『チノカテ』という曲の世界観のよう。曲の中に夕日という歌詞もある。ヨルシカのライブのバック映像でもこの風景によく似た景色が出てきたのもそれっぽかった。

アウトサイダー娑ケ婆

坂を降りて、尾道の商店街をブラブラ。この商店街の奥の方、少し外れの路地裏へ向かう。そこにはどう説明したらいいかわからない謎めいた場所がある。

レトロな品々
近所にこういうのでコメ売ってたの見たことある。
形からしてビンの自販機。
ペプシのロゴが超古いやつ。
レトロなテレビ
下のラジカセから広島FMが聴こえてきた。

それが「アウトサイダー娑ケ婆」。中にはレトロな品々やアート作品が展示。BGMとして「広島FM」が流されていた。なんか夢の中に迷いこんだ感覚だ。

入り口の引き戸にあるこの文言からして謎さが窺える。ギャラリーと言えば簡単だが、どことなくそうじゃない雰囲気も感じられる。

無数のふせん

壁や引き戸には無数の付箋が貼られていた。様々なメッセージがあるが、この中にまうさんのふせんもあると聞いた。

3分ぐらい探すとあった!「まう🦔」というシンプルなサイン。しっかり来た証を残されていた。

テーブルにはペンが置いてあったが、肝心の付箋が無かった。
え!?これ自分で付箋用意せなあかんの?
と思って翌朝リベンジ。

しかし、昼間はクローズ。夜しか開かない謎のお店に僕の爪痕は残せなかった。それでも、せっかく付箋買ったから何かに使いたいとは思っている。好きでも好きじゃなくても何か上手く行けるような使い道で使いたいがどう使おうか?

猫の細道

リベンジに失敗したこの日、もう一度千光寺公園へ登った。この帰り道、「猫の細道」へと立ち寄った。

千光寺というお寺を降りて茂みの中に入ると1本の路地へ入る。

至る所が猫で装飾されたこの界隈は「猫の細道」と呼ばれる。

道中では猫2匹に遭遇。白黒の猫と「たま駅長」によく似た柄の猫がいた。どことなく睨んでる感じだったが、争いにはならなかった。

猫の横丁

下ってく途中にテイクアウトできそうなお店を発見。ここで飲み物を飲むことにした。イートインもあってついでに涼んでいくことに。

「猫の横丁」というこの場所。元々寮だったのをリノベーションしたそう。

店のお姉さんとも少し喋った。尾道が猫まみれのゆえんや「猫の横丁」の話など。話の中でこの小説の話も宣伝した。

ふく

しゃべってると猫が乱入。
「ふく」と呼ばれかわいがられてる。

話していると、「ふく」という猫がやってきた。いろんなところをクンクンし、僕のリュックも匂ってきた。お姉さん曰く、人馴れしているが、鼻が敏感で匂いでご飯にありつくこともある。

それを聞いた僕はひとつ思い出をしゃべった。僕の実家の勝手口から猫が入って、煮物をむしゃむしゃ食い逃げ。母が「コラ!ネコ!」って叫んだ。あのときも、たぶん腹ペコやったんやろな。

どこもクローズ

古本屋弐拾dB
23時オープンという謎めき感。
どんな本でも買い取ってくれるんかな?
夕やけカフェドーナツ
この日は火曜日…
あかとら
横丁のお姉さん曰く、人が多いそう。
夜は予約しないと無理だそう。

他にも店を巡ってみたが、いずれもクローズ。平日だから店は休みがちだし、古本屋に至っては23時オープンという超夜型。クローズとて、お店に行った証拠だけは残せた。

初めてきたのに魅了

初めてきた土地だったが、まうさんが気にいるゆえんがわかる気がする。その上、僕も何度でも来たいと思えるぐらい魅了された。

  • 映画のような港町

  • タイムスリップしたような商店街

  • 狭狭な路地裏

  • ときどきあるリノベした店

個人的にはなんとなくふるさと「長浜」にも似ている気がしてきた。長浜も港で栄えてきたし、いずれの街も観光都市だ。まうさんもふるさとに似てる何かを感じたのだろうか。


美しい夕陽とたくさんの猫に巡り会えた聖地巡礼。しかし、まだ十分ではないと思うし、また違う季節にリベンジもしてみたい。

今回は乗り放題がメインで新山口で泊まった寄り道程度。今度は宿に泊まって、本格的に散策もしてみたい。あの古本屋で夜ふかししてみてもいいんじゃない?


ストリートミュージシャンの投げ銭のような感覚でお気軽にどうぞ。