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宇治だけじゃない“お茶の国京都滋賀”

「夏も近づく、八十八夜♪」が過ぎたこの時期。お茶摘みの最盛期を迎えている。この時期に採れる新茶は無病息災の効果などがあると言い伝えられているそうだ。
僕が住んでいる京都は全国有数のお茶処で宇治茶が代表的。『綾鷹』をプロデュースした上林春松本店かんばやししゅんしょうほんてん、「伊右衛門」をプロデュースした福寿園などもそれらの1つで一大ブランドとなっている。
実は“宇治茶”といえども、定義が広く、宇治市を含めた他の地域、いわゆる山城エリア※の市町村で生産されたお茶も“宇治茶”と呼んで良いというルールがある。ただ、名前が先行してしまいどうも宇治のブランド力に隠れてしまいがち。

※宇治市、木津川きづがわ市、城陽じょうよう市、八幡やわた市、京田辺きょうたなべ市、久御山くみやま町、井手いで町、宇治田原うじたわら町、笠置かさぎ町、和束わつか町、精華せいか町、南山城みなみやましろ村を主に指す。

お茶の京都

そこで、宇治以外のお茶の生産地も盛り上げるべく、京都府では『お茶の京都』を銘打ったキャンペーンを展開。京都京阪バスでは茶室を模した車両があったり、木津川市、笠置町、南山城村を通るJR関西線ではラッピングを施した列車もあるほど。
↓関西線『お茶の京都』ラッピング列車『山城列茶やましろれっちゃ』(加茂かも(木津川市)〜亀山(三重県亀山市)間で運行)

たしかにJR棚倉たなくら駅(木津川市)の線路沿いには筍とともにお茶をアピールする看板があったり、バイト先に向かう道中にも城陽市が展茶、抹茶をアピールする看板がある。さらに行きつけである久御山町のイオンモールの垂れ幕にはお茶屋を想起させるデザインが使用されたりして、お茶大国山城を実感する。

実はお茶大国

そして、僕の故郷で京都の隣、滋賀県も実はお茶大国だったりする。

↑『近江の茶』500ml(全農滋賀県本部HP内から引用。)
僕の実家にも必ずケースで置いてあったお茶。このブランドでJAでは滋賀のお茶をアピールしている。「滋賀×お茶」?と思うかもしれないが、実は深〜いご縁があった。

日本のお茶の始まりはここ滋賀!

お茶を日本に伝えたと言われているのは天台宗の始祖で比叡山延暦寺を建立したことで知られている最澄さいちょう。唐の国から持ち帰った茶の種を日吉ひよし大社(大津市)に蒔いたとされている。このお茶文化の始まりが滋賀にあったのだ。
このようにお茶の歴史を語る上では欠かせないご縁があって、アピールしている。

滋賀の銘柄茶

また、「土山茶」(甲賀市土山町)「朝宮茶」(同信楽町朝宮)「政所まんどころ茶」(東近江市政所)という銘柄茶もあって、古くからお茶の名産地として名を馳せている。

心のCM

ちなみに滋賀のローカルテレビ局「びわ湖放送(BBC)」にはこんなCMがある。

最澄が伝えた。栄西が広めた。義政が愛し、利休が極めた。千年の香り、贈り贈られ、千紀せんき園のお茶。

県民だと一発で分かるであろうこのCM。僕の中学時代の歴史の授業では、栄西を取り上げたときに先生がこのCMのネタを引っ張り出すほど、「心のCM」みたくなっている。その他にも、「銘茶ますきち」「みやおえん」などお茶のCMがゴールデンタイムに度々流れていたほど。これもお茶大国を象徴しているのではないかと思う。

ベストセラーの緑茶×滋賀

伊藤園の「お〜いお茶」では売り上げの一部を琵琶湖の環境活動に役立てていて、パッケージには「Mother Lake」のロゴが表記されていたりする。また、大津市内の京阪電車や近江鉄道では「お〜いお茶」のラッピング電車を走らせるなど、ベストセラーの緑茶飲料ですら滋賀に関わりが深かったりする。
↓近江鉄道の「お〜いお茶」ラッピング電車。前と後ろでシリーズ主力2種のパッケージカラーになっている。

ということで、宇治茶だけじゃない『お茶の京都』と滋賀のお茶事情を綴ってきました。宇治以外の山城エリアと滋賀のお茶はどちらかと言うとマイナーなのかもしれませんが、お茶のように濃い歴史や生産が盛んなこと、アツいPR活動が展開されていることがお分かりいただけたのではないかと思います。
そんな僕も3歳から今に至るまでずっとお茶にご縁のある所に住んでいて、ほうじ茶を中心にコンビニ立ち寄ったら頻繁に買ったりするほど好きだったりするぐらい、僕にとってもお茶と切っても切れないのだと思っていたりします。

ストリートミュージシャンの投げ銭のような感覚でお気軽にどうぞ。