記録的短時間大雨から晴る@電車で琵琶湖一周
買い物ついでに「琵琶湖一周」で列車旅したくなった。買い物は自転車カゴに置いていたヘルメットが盗難に遭い、買わざるを得なくなったから。これにとどまらず、列車旅してたら、盗難以上に恐怖なハプニングに襲われる羽目になった。
京都駅の大混乱
たどり着いた京都駅新幹線改札では「保守車両脱線衝突※」による運転見合わせで大混乱。八条口の改札には三角コーンの整列ゾーンも設営されていた。
「日本の大動脈」が1日寸断されるだけでこうするのも無理はない。傍観してるだけの僕だったが、これを超えるエラい目に遭うなんて…
新快速で東へ
京都から湖西線経由の新快速に乗車。京都駅の時点で雷鳴が響いていたが、雨はまだっぽい。山科まで来ても「嵐の前の静けさ」だったが、府県境を越えた途端、景色が一変。
ゲリラ豪雨@大津京駅
さっきの夏空はどこへやら。滋賀県大津市内は大雨に見舞われた。ちょうど雲が湧き立つ真下に来てしまった。
ウェザーニュースのアプリによれば、1時間あたり60ミリ以上の激しい雨。「滝のような」と例えられる。それだけの激しさだ。
記録的短時間大雨情報
この大雨には「記録的短時間大雨情報」が出された。1時間あたり90ミリという「猛烈な雨」で「災害が差し迫ってる」と警告された。言われてみると最大級の怖さは感じた。
運転見合わせ
新快速はなんとか大津京駅に到着。乗り降り済ませてすぐ発車しようとしたが、発車3秒で信号に止められ、急ブレーキがかかった。先頭の運転台からは車掌からの呼び出しを意味するブザー送られて、僕の経験上、不穏なムード。案の定、放送があった。
湖西線では強い雨と風の影響で一時的に列車の運転を見合わせています。
雨もそうだが、風も強かった。高所を走る湖西線は風に非常に弱いことは滋賀県民には周知の事実。冬の季節風「比良おろし」によって月に数回止まることもザラ。僕の感覚だとあれよりも強く感じる。特急が通る走りやすそうな路線だが、強風には勝てない。
琵琶湖線は…
運行情報アプリを開くと、平地を走る琵琶湖線の運転状況を見ると足止めされてる電車が全くいなかった。
思い起こせば、JR京都線に乗ったときにはこの雨ぐらいでは止まらなかった。
死ぬかと思った恐怖
大雨は10分経っても降り続く。何百回もカミナリが落ちて、怖くなる。閉じ切った電車の中だからいいが、似たような状況でチャリを漕いで、怖かった経験を思い出す。反対側の歩道に落雷を見つけたときは
「オレ、もうすぐ死ぬんちゃう?」
と思うほどだった。こういう無理は2度としないと思うし、台風のときも似た目に遭った。
運転再開
足止めから20分。弱まらない雨だが、運転再開の指示がかかった。たしかに風が収まった雰囲気はあった。徐行してでも再開するのだろう。
そうして出発したが、意外にも最高速まで飛ばしにかかる。見通しは悪いままだが、ギリギリ信号は見えるみたい。水はけのいい溝付きコンクリート線路はこの雨ではビクともしない。
京阪電車は…
一方、この雨で大津市内の京阪電車が運転を見合わせていた。路面区間や山岳を走る関係上なのか雨規制が厳しい。
じゃあなぜ、琵琶湖線は止まんねぇんだよ。
大雨抜けて、晴る
堅田まで来ると北の方が晴れ、雨もさっきよりは収まった。「レッドゾーン」からはようやく「脱出」した。
まさにヨルシカの歌の世界のような感じ。豪雨を突き抜けてきた新快速に似合う。
約15分弱遅れて、近江塩津手前までやってきた。通常なら乗り換え可能な米原方面の新快速があったが、さすがに間に合わないと判断され先発された。ただ夕方は30分後に列車はあるし、許容範囲だ。
DEC741
残念に思ってるよそで思わぬスペシャルゲストを目撃することに。
近江塩津駅のカーブから見えた列車は「DEC741」!!
ここまで興奮するのはかなりのレア列車。
いわゆる「ドクターイエロー」の在来線verである検測車両。屋根上にある無数のカメラを用いて、架線をチェック。AIを活用した装置も使って検査し、安全を支える。
「DEC」は「Diesel Electric Car=電気式気動車」の略。モーターを発電エンジンで動かす新機軸を採用した。ディーゼル単体より排気ガスを減らし、電車と部品共通化、それによるメンテナンス簡略などの効果を期待し導入。量産化に向けたテストも兼ねる。「DEC700形」という営業仕様とともに絶賛試験中。
近江塩津駅
近江塩津で10分待って長浜行きの普通電車へ乗り換える。長浜では新快速と接続はあるから困ることはない。
夕焼けの湖東
琵琶湖の東は夕焼けが美しい。田んぼや家の壁に影で映る新快速のシルエットがすごくエモい。先頭車両の曲線や転落防止幌のシルエットは新快速でしか味わえない。
大津駅
雨上がりの夕焼け空の下を駆け抜けて、大津駅へたどり着いた。
こういうことは何百回としてきたが、波乱の旅だった。東海道新幹線の方が大変だったが、こちらはこちらとて怖い思いをしてしまった。しかし、ここまで文章を綴れてしまうぐらい忘れられない旅だった。
その後
最終的に目的のヘルメットも購入できた。狙ってた色が別の人とバッティングしたが、あるだけならなんでもいい。今度は厳重に管理せな。
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