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ありがとうsuisさん

「FM802はちまるに」で日曜夜に放送されている『MUSIC FREAKS』隔週で「ネクストブレイク」が期待されるアーティストDJが登場し、リクエストやアーティストが好む音楽とトークで1週間を締めくくるという番組。毎年毎年アーティストが代替わりして1年間担当するため、代謝が高い。僕の年齢とほぼ変わらない長い歴史を持つが、いつでもフレッシュさはある。そんな2021年〜2022年ではVaundyさんと「ヨルシカ」suisさんが担当。後者は大好きなアーティスト故にほぼ隔週必ず聴くようになった。

主なコーナー

suisさんの担当では

  • suisさんオススメのミュージカル音楽の紹介

  • 「夢を“スイ”ム」→「スイマー(リスナー)」から届いた夢にまつわるメッセージと夢にまつわる音楽の紹介

  • n-bunaさんによる選曲コーナー

  • 『MEET THE 802エイトオーツーDJ』→「802」DJをゲストに迎えてsuisさんがプロの技を学ぶ。

といったコーナーがあった。

素顔と意外なシーン

「ヨルシカ」は基本的にライブでMCをしないため、ラジオでしか2人の素顔は見えないものだが、ミュージカル好きな一面とか「おしり丸」という飼いうさぎの話、さらには地名の読み間違いやゲストで迎えた「Eve」さんやn-bunaさんの前でボケ倒す天然でゆるふわなキャラクターが面白かった。その一方で一度だけ、放送中に発生した地震情報をsuisさんと思しき声で読んでいるのが意外だった。ニュース担当のアナウンサーがいるとはいえ、この声なら非常事態でも安心できるし、普通にアナウンサーに負けないぐらい聴き心地がよかった。

suisさんとハロスリと僕

流れてきた音楽の中ではsuisさんと僕の好きとが一致するのがけっこうあった。

特に「Hello Sleep Walkersハロースリープウォーカーズ(ハロスリ)」が大好きというのを聞いたときはビビッときた。高校時代にラジオをきっかけに知って、風邪ひいて休んだときに聴いてた思い出もあってカッコいいと思っていた。

CDは買わずじまいでしばらく遠ざかっていたが、「Apple Music」を始めたことも相まって、また聴くようになった。そしてここで流れた『DNAの階段』という曲は夜の新快速や特急などで聴くようになった。紅一点のボーカル「ナルミ」さんの声も昔より綺麗になって非常に気に入った。あいみょんといい、ハロスリといいラブな人からハマるのがなんと多いこと。

あの懐メロにハマって

もう一つ気に入ったので言えば、村下孝蔵さん。『初恋』という曲を聴くとどこか自分とリンクする歌詞やクリアで伸びのある声に魅了。『ロマンスカー』もミーハーながら、切なげに夜を切り裂くように走る「ロマンスカー」による特急「ホームウェイ※」という妄想と相まっていいなと思った。ここで初めて知ることになったのだが、意外にも深く知ることになるとは。

※夕方から夜に新宿を発車する「ロマンスカー」がこの名で箱根や江ノ島などへと向かう。千代田線始発の「メトロホームウェイ」というのもある。

n-bunaセレクト

23時前後ではn-bunaさんによる選曲コーナーが毎週あった。洋邦問わず多彩でマイナーから誰もが知るものまで、曲の解説や聴きどころなどを「レコメンドテキスト」としてsuisさんが代読して掛けるというもの。ロックやジャズ、ポピュラー音楽などたくさんの曲を知れてn-bunaさんの個性を垣間見れた。

ラストのセレクトではsuisさんへの労いと「これからもよろしくね」という言葉で締めくくって、『二十九、三十』『ハレルヤ』をセレクト。いずれもメジャーでそこそこ聴いたことがあるが、やっぱり大好きな人が選ぶとなると即プレイリストに入れたくなるし、列車でたくさん聴きたくなる。

おそらく、わたしのこと大好きですよ

とsuisさんが評する相思相愛ぶりもキュンときた。

MEET THE 802 DJ

時々「FM802」の現役DJをゲストに迎えることもあって、そこからsuisさんが実践することもあった。浅井博章さんのイントロピタリで曲紹介する技から『リボンがけミュージック』というコーナーができたり、内田絢子じゅんこさんから「ボイスメモで自分の気持ちを呟き」をやってみたり「声の入浴剤」というキャッチフレーズを頂戴するなど、プロから学んで成長していった。特に最後の「リボンがけ」では次の代へのエールを送ったり、『春泥棒』のイントロで感謝の締めくくりと「おやすみなさい」といういつもの締め言葉でちょうど歌に入ってビビッときた。こういう向上心も好きになれた理由なのだろうか。

「KANA-BOON」谷口鮪さん以来何年かぶりにしっかり聴いた『MUSIC FREAKS』であったが、やっぱり好きなアーティストが登板するときというのは一番興奮するもの。特に「一声惚れ」してしまったsuisさんが担当してきた今シーズンは今までで一番楽しく聴くことができた。まさしく「声の入浴剤」そのものだった。ミュージカルの話をするsuisさんはアツくて、僕の知らない良い世界を知れたし、洋楽を聴かなくても、「ヨルシカ」の源流を知れるとなると良さが伝わる。そして、「ヨルシカ」2人の関係性もよく分かるし、羨ましくもより好きになる。「802」でも他局でも良いからまたこういう番組があったらなぁなんて思う。

ちなみに来シーズンでは大阪のスリーピースバンド「ハンブレッダーズ」のボーカルムツムロアキラさんと「羊文学」のボーカル塩塚モエカさんが担当。後者は今年になって好きになったバンドだし、初回聴いてみようかなぁ。

そんなわけで、1年間隔週でいろんな「好き」や「良い音」を届けてくれたsuisさん。楽しませてくれて本当にありがとうございました。また、どこかでお耳に掛かりたい。

ストリートミュージシャンの投げ銭のような感覚でお気軽にどうぞ。