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あの日見たジョイフルトレイン

国鉄→JRの団体専用臨時列車向けに大規模改造された車両のことを「ジョイフルトレイン」と言う。この名のような派手目な塗装だったり、原型とかけ離れた改造車、お座敷、サロンなど、通常の列車とは一味も二味も違う列車なのだ。JR初期の頃は数が多い上、所属するエリア外に出張することも多くて、地元北陸線で目撃したジョイフルトレインも数多くある。

浪漫

14系客車を改造したJR東日本長野支社のお座敷列車。1995年にデビュー、東日本各地で活躍した。メタリックゴールドとワインレッドの高級感のある装いで、前後には展望車も備えていた。さらに車両の所々に日傘を差した大正モダンな貴婦人のロゴマークも施されていた。2007年に後継で485系改造のいろどり(引退済)に置き換わり引退するまで、東日本管内を始め、北海道など遠征も多数あった。

そんな「浪漫」に僕が出会ったのはまだ5歳のとき。幼稚園からの帰り道でバスに乗っていて、踏み切りに差し掛かると見慣れない色の列車が福井方面へ向けて通過していった。もちろん、幼かった当時はすぐになんの列車かは分からなかったが、その後図鑑や月刊誌「鉄道ファン」を見ていたら、同じ色同じ形の車両が載っていて「浪漫」というジョイフルトレインだったことが分かった。あのときの塗装と形を鮮明にに覚えていたようだった。

エーデル+リゾート

急行用ディーゼル車を大幅に改造し、「エーデル北近畿」「エーデル鳥取」「エーデル丹後」などの大阪から日本海側へ向かう定期特急列車に使用された。先頭車両はイベントホールの客席に似た階段状の座席大きなガラス窓で前面展望を楽しめる仕様になっていた。2003年の夜行急行「だいせん(大阪〜出雲市)」を最後に定期運用は終了したが、その後は近畿、山陰方面を中心に団体専用列車として活躍した。また動画内のように兄弟車である「シュプール&リゾート」とタッグを組んだ編成もあって、柔軟な組み合わせができていたが、現在は全車が廃車になっている。

北陸線にも琵琶湖一周などの団体専用列車として度々入線することもあって、小学生だった頃は実家から踏切を見て「エーデルや!!」と叫んで喜んだ。親は何のことやらと思ったかもしれないが…

サロンカーなにわ

国鉄だった頃の1983年に14系客車を改造した欧風の客車。濃い緑に黄色のツートンカラーで、展望デッキ1+2列の広々としたリクライニングシートを備えている。デビュー時は黄色の部分が金色で今よりかなり豪華な意匠になっていた。

団体臨時列車のほか、お召し列車として使用され、平成の頃には天皇皇后両陛下だった上皇ご夫妻がご乗車された実績を持っている。さらに2019年には「サロンカー令和」として、年号跨ぎのイベント列車にも抜擢され、国鉄からJR、さらに昭和から平成、そして、令和の今まで時代を超えて活躍している。旧型車を改造することが多いジョイフルトレインでは比較的長生きしていて、2021年現在も現役を続けている。

↑大阪駅にて(上)
 北陸線木ノ本〜高月間にて(下)
最近でも、北陸線や大阪駅で目撃したことがあって、特に大阪駅や手前の淀川河川敷には多くのファンが大集合していた。プレミアムなレア物、国鉄から活躍しているということもあって人気が衰えることはない。

大阪駅では少し車内を拝見してみると、列車なのに、宴会場みたく下駄箱が置いてあって、びっくりした。鉄道車両でスリッパに履き替えることはおそらくここだけだろう。そこもプレミアムだ。

最近では、『TWILIGHT EXPRESS 瑞風』『ななつ星』に代表されるクルーズ寝台列車や『くろまつ』『べるもんた』などの食や景色を楽しめる列車がほとんどで同じ区間で走っていて、「ジョイフルトレイン」の神出鬼没さ団体ツアーなどに申し込むなどの手間を考えると、高額なクルーズ寝台列車以外は手軽になったと思う。また、「ジョイフルトレイン」で培われた改造テクニックや一流デザイナーによるこだわりのあるデザインなど、さらに彩りが増えつつ、継承されていると思う。
旧型車改造故に短命がほとんど。「サロンカーなにわ」のような例外があるが、ジョイフルトレインと呼ばれない列車が増えた今は風前の灯。それでも一時代を彩ったこれらの列車の功績は大きいと言える。
そんなちょっとノスタルジーなお話でした。

#ジョイフルトレイン #サロンカーなにわ#エーデル#団体列車#北陸線



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