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アナウンサー×鉄オタ

アナウンサー界隈ではどうも鉄道好きが多いと聞く。「全国のラジオ・テレビ局、各局に鉄道ファンが1人以上いる」説を検証している北陸放送(MRO)の谷川恵一アナウンサーもその1人。

僕が住んでいる関西の民放で言えば、「西日本一鉄道に詳しい」を自称する馬野雅行アナ(毎日放送)や発車メロディ好きを公言する堀田篤アナ(カンテレ)その他、山本隆弥アナ(読売テレビ)、羽川英樹さん(読売テレビ→フリー)などがいる。
キー局では、自身で鉄道番組をプロデュースする藤田大介アナ(日テレ)や担当するラジオで愛を語っている安住紳一郎アナ(TBS)が非常に有名。

NHKの鉄オタアナ

NHKに至っては近田雄一アナが特に好きを公言していて、大阪局に赴任後、関西2府4県のJR全区間乗りつぶしを達成。その後ゲストで登場したNHKラジオ「鉄旅・音旅 出発進行!」での話では「嵯峨野トロッコ」を除く私鉄、地下鉄、第三セクターもコンプリートしたとのこと。さらに不定期放送の「鉄オタ選手権」では関西の鉄道が取り上げられる回でナレーションを担当したりタレントに混じってロケに登場していたりする。「ローカル版クローズアップ現代」と言える「かんさい熱視線」で関西の諸問題を伝える真面目な姿とは一転して、熱く鉄道を語る近田アナの姿はいい意味で“NHKアナらしからない”
それに乗じてなのか、同じく大阪局の伊藤雄彦アナも近田アナから土曜朝の情報番組「ウィークエンド関西」担当を引き継いでから前面展望好きの鉄道ファンを公言するようになった。
その他にも「鉄旅・音旅 出発進行!」でのお便りによれば、名古屋局にも鉄オタアナがいるそうだし、東京では、比田美仁アナや糸井羊司アナなど局全体で見るとかなりいそうな雰囲気。

好きを仕事に

鉄道ファンのアナウンサーさんの中では好きを仕事にしている人もいる。その代表例が元フジテレビの堺正幸アナ。有馬記念、日本ダービーといった競馬の最高峰レースの実況や平日昼の全国ニュースでキャスターを担当するなどマルチに活躍した堺アナ。そんな堺アナはJR東日本エリアのほぼ全ての新幹線、特急、観光列車、西日本エリアを含めた北陸新幹線全線、北海道が管轄する北海道新幹線の車内自動アナウンス(日本語)を長年担当し、「音鉄」の世界では有名な声となっている。
局アナ時代に当時の国鉄から東北新幹線の自動アナウンスの打診が局にあり、その際に鉄道ファンである堺アナを上司が推薦したのが始めたきっかけだったそう。民営化した後や人事異動でアナウンサー職を離れても、定年後フリーになった今でも途切れることなく担当を続けている
これ以外にも長野電鉄の特急「スノーモンキー」「ゆけむり」の自動アナウンスを担当する信越放送(SBC)の山崎昭夫アナや西武鉄道、東武鉄道などを担当している「女子鉄アナウンサー」久野知美さんなど、鉄道好きを仕事にしているアナウンサーさんもいたりする。

とは言っても、各局1人必ずいるわけではない。公言しない人もいそうだし、キー局でもテレ東とテレ朝ではそういう人を聞いたことがない。なぜこの界隈で鉄道ファンが多いのかは定かではない。自動アナウンスをして好きを仕事にする例はあってもごくごく少数。鉄道ファンだから選ばれるというわけではないし、大抵は実績のある人や声質の良さからだ。

ますます謎が深まりそうだが、こうしたことでも鉄道ファンが認められる存在になれるのは嬉しい話。耳心地の良い語り口や実況など、本職で良い結果を残した上で、鉄道を熱く語る姿で魅力を広めてほしいと思う。

ストリートミュージシャンの投げ銭のような感覚でお気軽にどうぞ。