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18きっぷで巡る岐阜のローカル列車とヨルシカ


多治見まで来て、「暑い街」ならではの場所を散策したところで列車の時間。

お次は太多たいた線。美濃太田まで向かい、そこから高山線に入って岐阜駅に向かう。直前に乗った中央西線では特急みたいな豪華仕様の列車に乗ったが、やってきた列車も「ホンマにあんたローカル線の普通列車か?!」と思わせるほど引けを取らない豪華さだ。

大きめ窓、転換クロスシート、日除けはロールカーテン、中吊り0。扉横には仕切りがあって、「自由席」という札もある。

この札を裏返すと「指定席」の文字がある。名古屋から鳥羽を結ぶ快速「みえ」号では一部に指定席を設定していて、並行する近鉄特急に対抗している。乗ってる列車も過去に使われていたこともあって、ここまで豪華に仕上げられている。旧型車置き換えで岐阜に移籍してからは豪華仕様は持て余し気味。それでも3ドアを備えているからラッシュ時には最適と言えるし、移籍組はかつて武豊たけとよ線※でワンマン列車として走っていたから設備も活かせる。

※愛知県の大府おおぶ駅(大府市)と武豊駅(武豊町)を結ぶ路線。終着の駅名や所在する町名が競馬の武豊たけゆたか騎手と全く同じ漢字であることでよく知られる。ただし、武騎手は滋賀育ちである。

多治見を発車してしばらくは列車の音を楽しんだ。「カミンズ」という海外メーカーの大馬力エンジンは加速が良くて、音も豪快だ。電車並み加速と特急並み性能でライバルに太刀打ちしようとするわけだ。

ちなみにこの日、高山線の山間区間では「落雪防止」を理由に速度を落として運転。乗っていた列車も行き違い待ちなどでやや遅れて折り返した。名古屋でも15℃に達する寸前の暖かさ。山では雪解けでなだれが起きやすいから列車の振動で刺激しないようにしていたのだろう。地元北陸線も同じ環境ではあるが、大幹線とローカル線だと保守レベルが違うからこういう遅れも致し方ないのかも。

途中の美濃太田では10分停車。その間に長良川鉄道を撮りに行った。

その直後の音楽では岐阜県出身のn-bunaさん擁する「ヨルシカ」縛りで選曲した。YouTubeの生ラジオや一部の楽曲、ライブの語りなどで列車にまつわるシーンや思い出に言及していることが多かった。特にラジオでは「レールバス※」というワードが出てきて、ピンと来た。

※ローカル線向けの軽量級小型車両。折戸やエンジンなどのバス部品を多用してコストダウンを図ったことが名の由来。海外に影響を受けて国鉄が開発したものとここから影響された「富士重工(現SUBARU)」独自開発のものが国内ではあった。

長良川鉄道や同じ岐阜県内の樽見鉄道でもかつてそれを採用していだことがあった。今は「レールバス」より輸送力や安全面を強化した「LE-DC」や「NDC」と呼ばれる中軽量級のディーゼル列車がn-bunaさんが描いたであろう風景を駆け抜けている。今回は乗れなかったが、いつか乗って、楽曲のルーツを探って、耽ってみたいもんだ。

これらに限らず、「夏の匂い」「死生観」「破壊的衝動」「文学」など「ヨルシカ」やn-bunaさんの世界観には様々なエキスが息づいて物語として昇華され形作られる。もちろん「夜行」「夜明けと蛍」などには列車や無人の駅など鉄道にまつわるワードがよく登場しているし、“オタクの魂”に響くわけだ。

今回は昼だったが、いつか夜の帳が下りた後のローカル線に乗ってみたい。「盗作」「春ひさぎ」「嘘月」など合いそうな曲もたくさんある。特に「夜行」は鉄道モチーフだから琴線震えて楽しめそうだ。

ストリートミュージシャンの投げ銭のような感覚でお気軽にどうぞ。