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ファミマ超えの香ばしくて美味しいアイスコーヒーを作る方法

突然だがファミマのアイスコーヒーがうまい。

こう書くと非常に安っぽく思われるかもしれないけど、実際とてもうまいので仕方がない。ちなみにセブンイレブンのアイスコーヒーもうまい。

けど、コーヒーが飲みたくなる度にコンビニに行くのは面倒だ。何しろ家から一歩も出たくない日は多い。
そのため、家でファミマ超えのアイスコーヒーを手頃な時間で作る作戦を決行。いくつかの試行錯誤の末、一定の成果が得られたため、忘れないようにメモしておく。

先に結論から

[準備]
- アイスコーヒー用の豆を用意
- 20gを中挽きで挽く (電動ミルで左から2番目)

[抽出]
- エアロプレスのインバートスタイルにて、お湯40gで10-180秒ほど蒸らす
- その間にカップにアイスを180gほど入れて冷凍庫で眠らせておく
- お湯を追加で160gほど入れてプレスで抽出

[仕上げ]
- 抽出したコーヒーを3往復デキャンタージュ
- もう一度フィルターにくぐらせて冷凍庫のカップにIN
- 一口飲んで、好みの薄さまで加水して完成

では詳細を。

まずは豆選びから。豆なら何でもいいってワケじゃない。酸味が少なく、苦味が多くて、香ばしい香りがする豆がここで作りたいアイスコーヒーに適してると思う。

近所で買える比較的安めな豆で、わいが好きなものは2つ

マンデリン - カルディ
これは近所のカルディが豆の半額セールをやっていた時に店員さんにおすすめされて買ったものだ。セールとは言え、200gで300円程度とかなり安いにも関わらず、とても香ばしくてグイグイ飲める軽いテイストのアイスコーヒーに仕上がる。普段遣いしたいタイプの豆だ。

コロンビア - スターバックス
これは、カルディで買った豆と比べると1.2~1.5倍ほど高い。(セール時と比べると3倍も高い!)
なので、わいの中ではちょっと贅沢な豆だ。これも店員さんにおすすめされて買ったものの1つ。
抽出するとやはり香ばしくてグイグイ飲める感じの軽いテイストのアイスコーヒーに仕上がる。マンデリンと比べてももうちょっとナッツの香ばしい香りがよく出てる感じがして、ここが高いポイントなのかなと感じる。もちろんうまい。
何にせよ買えないほどではないので、ちょいちょい飲みたくなって淹れる。

次に、買ってきた豆を挽く。カルディもスターバックスも言えば買ったその場で挽いてくれるが、豆は挽いた直後が一番香り高い。香りを大事にしているわいは豆のまま買ってきて、自宅で挽くのが好きだ。

家で豆を挽くには「コーヒーミル」と呼ばれる器具で豆をすり潰す必要がある。ミルは手動のものと電動のものがあるが、どちらを選んでも「すり潰す細かさ」が抽出されるコーヒーの味にダイレクトに影響を与える。粗ければ薄く出て、細ければ濃く出る。そのため、挽く粗さが調整できるタイプのミルが良い。

わいは元々手動のミルを使っていたのだけど、毎日20gも挽いてるとこれはいちいち5-10分ほども取られて大仕事になる。腕も疲れてコーヒーを淹れるのが億劫になる。
そこで長らく手頃な価格帯で丁寧に挽いてくれる電動ミルを探していたのだが、以下の動画で紹介されているものが最高だった。

電動式のコーヒーミルは大きく分けて「プロペラ式」と「臼式(グラインダー)」の2つに分類される。特徴は以下の通り。

・プロペラ式:安い、小さい、微粉(雑味の原因)が出やすい
・臼式:高い、でかい、微粉は出にくい

そのため、ちゃんとした臼式の電動コーヒーミルは新居に引っ越した後に買おうと思っていたのだけど、いい感じのサイズ感でお手頃価格のチートみたいなコードレス臼式ミルが売っていたので即ポチ。久々に正解の買い物ができたと思う。

普段はこれを左から2番目の粗さ(中挽きくらい)にして使っている。
豆の感じは↓の写真くらいが目安。

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次に挽いた豆を抽出する必要がある。
ここでは用意するものが3つある。

1つ目は抽出器具。
「ペーパードリップ」「フレンチプレス」「エアロプレス」「水出し」など、色々な抽出方法があるが、わいは「エアロプレス」抽出が一番好き。

エアロプレスというのは最近できたばかりの抽出器具で、空気圧を使ってコーヒーを抽出する。上からコーヒーを押しつぶして抽出するフレンチプレスの進化系のようなものだ。
フレンチプレスと違ってペーパーフィルターを通すので雑味が出づらく、かつ、圧力をかけるのでペーパードリップより素早く抽出できるという、両者のいいとこ取りの器具でかなりのお気に入りだ。

わいは以下のエアロプレスGOという製品で抽出している。通常のものとの違って少し小さく、小さい方がキッチンの邪魔にならないと思ったのだ。抽出用のカップや攪拌棒を本体と一体にして収納できるのも良い。
ただ、一度にたくさん抽出するのがお好みなら普通のエアロプレスを買ったほうがいいと思う。

2つ目はデジタルスケール。重さが測れればどんなものでもいい。豆の量と水の量はかなり正確に測った方が質が高く、再現性の高いコーヒーを毎回淹れられるようになる。

3つ目はコーヒー用のケトル。
これは、先っちょが細長くて「ちょろちょろ」と出るものを使う。
これによって、狙った分量のお湯をくるくる回しながら淹れやすくなる。不要かと思っていたけど、実際に普通の急須と比べて淹れやすさも味も全然違うものになったので、これは必要なものとして買った方がいい。

ちなみにケトルを使って丁寧にお湯を入れると、以下のように表面全体にじわっと泡が浮かんでくる。これが蓋になって、蒸らしから抽出するその時まで風味をしっかり閉じ込める役割があるんだとか。

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と、ここまで準備ができたら、次はコーヒーを抽出する。

まずはエアロプレスの蓋にフィルターをセットして、ケトルで少し湿らせ、密閉させる。
次に、エアロプレスのシリンダーとフランジャーをセットして、反対向きに セットする。いわゆるインバートスタイルと呼ばれる抽出方法になる。

中に挽いた豆を20gセットし、中身を揺らしてある程度平らな状態にする。そこにケトルでお湯を満遍なく40gほど注ぎ、エアロプレス付属の攪拌棒で2-3回ほどかき混ぜてお湯と粉を馴染ませる。
その後、先程湿らせた蓋を頭に置いて密閉し、この状態で10-180秒ほど蒸らす。

蒸らしてる間にアイスコーヒーを入れるコップに氷を入れておく。
合計で380gの液体を入れるので、500mlくらいは入りそうな大きめのジョッキを用意した方がいい。暑い日はそいつでゴクゴク行くのが最高だ。

次にコップに180gほどの氷を入れる。氷は製氷機で作ったものより、純氷に近いものが望ましい。水道水の塩素の臭いがコーヒーに移ってしまうからだ。なので、スーパーやコンビニで買ってきた氷を使うのが良い。

が、わいは貧乏なので、以下の動画を参考に水と塩素を分離して臭わない純粋な氷を水道水から作っている。これでも十分美味しい。
ただ、間違いなく冷凍庫のスペースは圧迫するので、同居人の許可は貰う必要があると思う。

氷を入れたコップは一時的に冷凍庫にしまっておく。抽出してる間に氷が溶けてしまうからだ。

で、ここまで終わった頃には蒸らしの時間は十分。
蓋をどけて、お湯を更に160g追加する。(ここまでで豆を抜いた液体の合計が200g)
エアロプレスGOはインバートの状態で大体230gくらいまで水が入るため、泡で膨らむ部分と合わせて、表面ギリギリくらいまでせり上がってくる。

その後、蓋をして、裏返して、プレスで抽出する。
この時点で十分飲めるコーヒーができるが、ここで更にもう2手間を加える。

1つ目はデキャンタージュ。
元々はワインに使われる用法で、溶液の温度を下げて味をまろやかにしつつ、コーヒーの香りを立てる効果がある。
抽出したカップに加えてもう1つ容器を準備して、中の液体を3往復させる。

2つ目は二度目の濾過。
コーヒーには微粉と呼ばれる、コーヒーフィルターも通過するような細かすぎる粉が液体に混入することがある。これが雑味の原因になり、口当たりを悪くしてしまう。

今回はおいしくゴクゴク飲めるスッキリとした香り高いアイスコーヒーを作りたいため、蓋にフィルターをセットして、お湯で湿らせて、再度フィルターを通す。

こんなの本当に意味があるのか?と思われるかもしれないけど、効果はある。
以下の写真は二度目の濾過をした後のフィルターの状態。こんなに微粉がついている。これが全部そのまま口の中に入るか入らないかの違いがある。

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ちなみに、デキャンタージュと濾過を2回行うアイディアは2018年に開催されたエアロプレスの世界大会で準優勝を取った方の動画を見てパクった

最後に冷凍庫に入れていたコップに溶液200gを全部注ぎ込む。
これでコップの中は氷180gと合わせて380g入っていることになる。

ここまでで割と濃い目に抽出されていると思うので、一口飲んでみて本日の好み具合に合わせて少し加水する。

これで完成。

所要時間は豆を挽いたところから数えて6分くらいだった。のんびり作ったら8分はかかるかも。
しかしドリップより素早く抽出できるし、何よりおいしい。一杯一杯にお金もかかってないので、罪悪感もなくゴクゴク飲める。

暑い日に部屋中に豆の香ばしい匂いを漂わせながら、おいしいアイスコーヒーをあおって涼を取るのは最高だ。
隣の席に一緒に同じアイスコーヒーを飲む人がいて、お気に入りの音楽と甘いシナモンのおやつもあるともっといい。

実は最高のカフェオレも作れるので、それはそのうち書く。