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ミーターの大冒険 第四部 コンポレロン 第5話 「 放射能?」

114第5話ミーターの大冒険 第四部 コンポレロン 第5話 「 放射能?」

あらすじ
 ミーターとイルミナを乗せたファー・スター2世号は、シンナの軌道上、カルガン以来、初めての惑星探索を果たした。はじめはドローンで、そしていよいよ、ミーターはコンポレロンの地表に到達し、人間社会にも扮装して紛れ込んだ。人間たちは、透明なドームの鋼鉄都市に住みはじめていた。それはトランターの繁栄した時代のような外界の宇宙空間から身を守るような形態であって、ターミナスやその周辺星域の惑星とは異なっていることに二人(?)はいわゆる懐古趣味というような違和感をおぼえた。さらに、コンパーやジスカルド・ハニス、オリンサスの縁故がいないのには何故か落胆したが、ミーターの洞察力はにわかに鋭さを増していく。
 ミーターは、コンポレロンの人々が最古の星の話題に異常な恐怖感を持つのに、あるもう一つの理由があることに思いつく。

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ミーター イルミナ、アルカディアの話しで思い出したことがある。
 それは「放射能」についてのことだ。
 この銀河には、「放射能」という言葉が「暗闇」、「混沌」、「焼け焦げ」または「絶望」、「恐怖」と同義語で使われるってことを知ってたか、イルミナ?
 コンポレロン人が怖がっているのは、最古の星の記憶だ。それは原子力放射能の「恐怖」だ。きっとそうだ。

イルミナ ミーターさん。ここ100年の間、ここ天の川銀河の多くの星が放射能汚染によって住民の生存が脅かされているのわ。
 皮肉にも当初はファウンデーションの科学技術によって数多くの銀河の惑星が潤った。われ先とファウンデーションの科学技術を導入したり、援助を受けた。とくに全エネルギーを原子力に頼っていた星々は、よけいに悲惨になって来ているみたい。原子力発電所の老朽化によって、技術者の不足や維持技術の技能が廃れ、それによって原子力発電所の爆発事故が多発したのよ。その星は放射能漏れで汚染され、その星を遺棄せざるを得なくなり、住民は他の住居可能な星に移住をせざるを得なくなった。
 人類の文明は消滅しかけているのよ。そのことによって多くの星が、どんどんとファウンデーションとの関係を絶って来ているという事実にも表れているわね。そしてこの銀河の暗黒がファウンデーションのせいだと憎悪を抱きはじめたのよ。約100年前まではファウンデーションとの親交星が銀河の三分の一まで増加したのに、今では数える位に減ったんですから。
 
 この問題に抜本的に取り組んだのが、アルカディアさんだったんですから。ミーターさんは彼女のメイン・スタッフだったんですね。それだけでも尊敬いたします。

ミーター いやいや、まだまだそれは解決されているわけではない。というよりはこれからが序の口っていうところだ。お前と俺でその解決の手がかりを見つけ、チャレンジして行かなくてはならない。

イルミナ ということは、ミーターさん、その最古の星、いわゆる「アタカナ」というのは、まさか今では人類住居不可能な星なのかも知れませんね!

ミーター う~ん。そうだとすると、非常に痛恨極まりない。ホントに残念なことだ。
 しかし、もし、そうだとするとその星を見つけたとしても、その地表に降り立つのは困難ということか?その放射能の程度にもよるが、ある程度以上だとすると、ロボットでも数時間内に機能が全部破壊されてしまう。

イルミナ

Photo は放射能で焼けただれた地球。ミーターの時代には、悲愴にもその事実も忘却の彼方へ。

 難問山積みね!

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