友達(母の不思議体験談)

母が体験した話を書きたいと思います。

母は 私を身ごもる前、盲腸の手術をして、術後に全身麻酔がなかなか切れず臨死体験をしたと言っていました。

お花畑のとてもキレイな場所を歩いていると、白くてな大きな門があり
門の横には白い老人が座っていたので、門に向かって歩いていると、後ろから自分の名前を呼んでいる声が聞こえているのだけど、うるさいなって思い、無視して美しい世界にワクワクしながら歩いていたそうです。

でも、あまりにも名を呼ぶ声が耳障りで一度歩みを止め振り返ると目が覚めて、ベッドの横で父がずっと母の名前を呼んでいたそうです。

あの時、もし呼ばれてなかったら あの世に行ってたかもしれないねって言ってました。

その後、私を産んだあと何度か、目が覚めると天井が目の前にあって、自分が浮いていると思い、慌ててバタバタしていると下に自分自身の姿が見えて、驚いていると気が付いたら自分の身体に戻っていた。と、聞いたことがありました。
幽体離脱っていう現象でしょうか。

そんな母に、幼い頃に毎日のように言われていた事がありました。

学校に行く前に「ハンカチ持った?忘れ物ない?お友達と仲良くしてね。石は拾って来ないでね。あの橋は渡ったら駄目よ。」

ある日、あまりにも毎日 友達と仲良くっていうもんですから、なんで?と聞くと

母が高校生だった時の話をしてくれました。

母は 女子校で同じ班に無口な女の子がいたそうです。
その子は特にいじめられているわけでも、無視されているわけでもないけれど、友達の輪に入りきれなくて、いつも独りだったそうです。

母は、同じ班なので普通にある程度には話しはしていたそうなんですが、特に仲が良いというわけでもなかったその子が、ある日の土曜日に「今日、お家に遊びにいってもいい?」と声をかけてきました。

母は、少し驚いたけれど「いいよ。」とこたえたそうです。

当時、学校は土曜日は半休で昼には終わるので、家に帰ってその子が来るのを待ちながらお昼ごはんでも食べておこうと思っていたら、彼女は制服のまますぐに家に来たそうなんです。

その日 家には、家族は誰もおらず、その子と二人きりで 母は、「お昼ごはんに 焼き飯を作るけど食べる?」と彼女に聞くと 頷いたので、待っててねと、お茶を出して隣の台所に立って、たまに座っている彼女の後ろ姿を見ながら作っていたそうです。

さぁ出来た。と、お皿に盛ろうと振り返ると、すぐ真後ろに彼女がうつむいて立っていて、全身に鳥肌が立ったといっていました。
全く気配もなく不気味だったと。

お昼ごはんを食べて、その後は 何を話したのか今はもう覚えて無いけど、家族が帰って来る前に彼女は帰ったそうです。

そして月曜日、学校で土曜日に彼女が電車に飛び込んで亡くなったと聞かされたそうです。

彼女は、最期に母のところにどんな気持ちで来ていたんでしょう。

母は、家に来たときは既に亡くなっていたんじゃないかと話してくれました。
亡くなった時刻は聞いていないそうです。

その経験から、お友達とは仲良くね。と、母なりに後悔があったのでしょう。
もっと仲良くしていれば未来は変わっていたかもしれない、と。

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