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I am the dancing queen.

意外なことに、僕は踊るのが好きだ。

ただし、振り付けがあるようなダンスや、動きで自己表現をするような、本格的な踊りをするわけではない(というかできない)。

僕のいう“踊る”は、もっと控えめだ。

肩を揺らしたり、腕を少し上げたりしながら、音に合わせて腰を揺らしたりするだけ。

一人暮らしの小さな部屋で、小さく踊る。
下の部屋に住むおじいちゃんに配慮しながら。
これがMy Style。


…のはずだった。


2012年、アメリカのサンフランシスコ州のある大学で、『ヘンテコな動きをすると、楽しい気分になる』という研究結果が出たそうだ。

その話を知って以来、僕は控えめな踊りの中に、少しアレンジを加えるようになった。

腕を大きく広げて肩をクネらせたり、目の前にポールを想像して、少しストリップっぽい動きを足してみたりする。
僕からすればクールな動きだけど、傍から見ればたいそうヘンテコなことだろう。誰かに見られたら通報されかねない。

しかしどうだ、そんなダンスをしていると、いつの間にか笑顔が浮かんでくる。ハッピーという感情が膨らんで、理由もなくパワーが溢れてくるのだ。
動きが派手でヘンテコであればあるほど、その効果も大きくなることにも気づいた。

僕の両親は、ディスコで出会ったと聞いたことがある。

そんな親の遺伝子を継いでいるのだから、少なからず踊り好きな部分もあるのかもしれない。友達に誘われて稀にクラブに行くと、入る前は緊張するものの、やっぱり楽しいと感じる。

本格的な振り付けじゃなくてもいい。とにかく、踊ってみる。
こんなことでも、人生は少し明るくなるのだ。

今じゃすっかり朝のルーティンの一つになっている、謎ダンス。
しかし一つだけ、気を付けていることがある。

極力、 鏡の前に行かないこと

意味不明の動きをする自分が反射して、なんだか急に照れ臭くなってくるから。

おわり


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