『選挙の人々 Wave Makers』 中国ドラマ 鑑賞記録
最近 古装劇が続いていたので気分転換に現代ものを!と気になっていた本作にようやく手を付けました。全8話ってありがたい!
しかも選挙のお話ってかなり珍しい? 台湾では初めてだそうです。政治がらみのドラマ化はいろいろと難しそうだけど、さてどんなお話なのでしょう?!
お時間あったらお付き合いくださいねー。
(トップ画像 wave makers official instagram)
選挙の裏側が面白い
タイトルの通り、台湾総統選の裏側で奮闘する参謀本部の人々の一部始終が描かれる。
主人公は選挙に落ちて今は総統候補 林月真 リン・ユエチン(賴佩霞 ライ・ペイシア)の応援に回って副主任を務めている 翁文方 ウォン・ウェンファン( 謝盈萱 シエ・インシュエン)。彼女は同性愛をカミングアウトしている。
同じく参謀主任の 陳家競 チェン・チアチン(黃健瑋 ホアン・ジエンウェイ)は人がよくて人望もあるが家庭内では問題を抱えている。
この二人を中心に、新人スタッフ 張亞靜 チャン・ヤーチン(王淨 ワン・ジン)と、対立政党の副総裁候である 趙昌澤 チャオ・チャンツ(戴立忍 レオン・ダイ)がキーパーソンとなってストーリーは進んでいく。
と、ここでお断り。
netflixさんは中国語ドラマの役名がカタカナなのですが、覚えにくい!! 誰が誰だか、、
わたしだけかもしれないけど、正直 リンユエチン以外最後まで覚えられなかった。もう、顔だけで判断(笑)
なので、ここではこの後漢字で表記させていただく。
netflixさん、お願いだから漢字圏ドラマの役名は漢字+現地読みカタカナのフリガナにしてほしい!!
さて
選挙って大変
てことはまぁ何となくは知っていたけど。
国が違うという点は別としても、やはりどこでもありそうな足の引っ張り合いや駆け引き、今の時代ならではのSNSやインフルエンサーを駆使した戦術、スキャンダルへの対策などなど、、ひっきりなしに対応を迫られる事案が出てくる。
その忙しさが引き金となって、主任 陳家競 のようにトラブルは家庭にも及んでいく。奥さんは在宅の挿絵画家で、家にいるという甘えもあって頼まれたこと(子供のお迎えや帰りの買い物)を遂行できない彼。ついに奥さんの堪忍袋の緒がプチンと切れて実家に帰られてしまう。困り果てて右往左往する様がなんともキュン。人のいいこの主任はドラマの癒し担当で、気の強い副主任の 翁文方 といいコンビだ。
その 翁文方 は前回の市議選でその負けん気が災いして落選したが、その分正義感は強い。選挙中にも関わらず新人 張亞靜のセクハラ騒動にも毅然として立ち向かっていく。自身の同性愛も週刊誌のネタになりそうになるが他の同じ立場の人たちを励ますためにと、怯まず真っ直ぐに理想を目指して進んでいく姿は清々しくもカッコいい。
総裁候補の 林月真自身も、わずかなミスも許されない選挙直前の難しい対応を悩みながらもてきぱきとこなしていく。その姿には俳優のスキルもあるだろうが、実際に女性総統のいる国ならではのリアリティも感じられて、ちょっとうらやましい気持ちになった。
チーム力
そんなこんなで騒動を一つ一つ乗り越えながら、最後の大きな山は対立政党 趙昌澤の艶聞スキャンダル。一歩間違えれば相手候補だけでなく自陣にも害が及ぶかもしれない危機。
それにしても何故こういうスキャンダルって起きてしまうのだろうと思わずにいられない。周囲の人、特に家族を苦しめてしまうのにね。
これ以上はネタバレになるので言えないが、8話という話数にしては中身が濃くて一気に視聴できてしまうテンポのよさが秀逸だ。
主演もいいがこの選対チームの和が素敵。次々と色んな手段を提案し、協議決定し、チームワークよくスピーディーに戦略を推し進めていく過程が見ているだけで楽しかった。
独自のテーマ性
もう一つこのドラマが面白かったのは、副主任の同性愛や社内のセクハラ問題、ネットを駆使した戦略のモラルやコンプライアンスなど、現代のリアルな問題をごまかさずに描いているところだ。
こういうテーマを逃げずに正面からドラマ化できる国。受け入れられる社会。
やはり台湾、勇気と実行力があるなーと感心せざるを得なかった。
そういえば台湾のドラマはセットの規模感が日本と違和感がなくて見やすい。その反面、大陸制作のものを見慣れている目には正直 映像に圧迫感を感じることもたまにある。わたしが視聴した作品の画面が暗いものが多かったせいかもしれないが。
でも選挙前日の大会の映像はドローンも駆使して大掛かりで迫力あったなー。ああいう感じは日本ではあまり見ないかもしれない。
大陸のドラマと国内との中間的な感じが程よい。
そんな全8話のドラマは、最後とても爽快に終わる。後味スッキリ、一方で考えさせられる場面も多く、いいドラマであった。
政府の指揮の下で映像コンテンツの海外発信に力を入れていると聞く台湾。これからも魅力ある作品が観られそうです。
次は何を観ようかなって思えるのは楽しい。このあとの台湾作品は『次の被害者』を頑張ってみたいと思います!(怖そうなので足踏み中w)
今日もお読みいただきありがとうございました!