『黑白密码』 中国ドラマ 鑑賞記録
警察ものなら観なきゃね、とホイホイ視聴しました。『御赐小仵作』(宮廷恋士官)の二人が再共演したことも注目の作品。
タイトルの "密码" の通り暗号がテーマになっているクライムサスペンスです。
アクションと謎解きがスリリングで、楽しく視聴しました。
だけどとっても複雑な人間関係が、ネック。ミステリー要素を加味してるのでわかりやすく描写されないから余計に混乱しました。
なので今回はストーリーと謎部分は置いといて、その関係性に焦点を絞って書いてみようと思います。
ネタバレはありませんが、人間関係はバレます(笑)
よろしければお付き合いくださいね!
複雑な人間関係 その1【警察関係の人々】
シルクロードを思わせるような砂漠地帯に近い地域、西狭省漢北市の刑事 楚一寒が主人公。血気盛んな若手である。演じるは 王子奇。
唐晓天 が演じる同僚 余大洛はユルいおとぼけみがかわいくて、いつも 唐晓天 が時代劇で見せる優雅な公子が現代に転生してきたみたいなキャラ。二人はいいコンビだ。
ナイスなバディーものかしら? ワクワク! という期待は彼の序盤でのあっけない退場で敢えなく打ち砕かれる。よく見れば 唐晓天は "友情出演"となっているではないか。なるほど。 まことに残念至極である。
しかしその残念を補って余りある程カッコいい 王子奇のアクションで、その後も問題なく視聴。とにかく強い! めっぽう強い! ケガも絶えないので大丈夫?と心配になってしまう。が、全然大丈夫。 ちょっと繃帯巻いただけであとはピンピンしている。頼もしい限りだ。
でもそれ以上に身体を張って頑張るのが先輩刑事の 程樊だ。演じるは田雨。とにかく生きてるのが不思議なくらいケガを負う。そもそも5年前の大捕り物で心臓付近に爆発物が直撃、現在も定期治療中。
でもそこは主治医が彼女。だから入院中もなんだか楽しそうなのである。
その 程樊が職務中に助けたことで 楚一寒と出会うのが 苏晓彤演じる民族舞踊ダンサーの 古蔺娜。
実は本作での彼女のメインの役処は、楚一寒との淡い恋よりもこの「古」という姓の持つ意味だ。
複雑な人間関係 その2【悪人たち】
このドラマが複雑なのは、上記【その1】の人々が何らかのルートで悪い人たちと関連している(主に肉親)ことが隠されているせいだ。
楚一寒らが追っているのは「西北狼」という犯罪組織。漢北市警察は何年も前からこの各種犯罪を取り揃えた組織に手を焼いており、潜入捜査員も潜り込ませている。
5年前の摘発によって組織は一旦壊滅状態に陥ったものの潜入捜査官は行方不明。生死も不明。その捜査官こそが 楚一寒の母親、林轲なのである。
ある日、彼女からと思しき暗号が送られてくる。その暗号を知るのは警察の身内だけ。解読できるのも捜査本部の一部の人間だけ。
そのことを知った 楚一寒は母親から自分へのサインだと信じる。母の救出と事件解決のため、あるいは罠かもしれない危険な潜入捜査に赴くのだった。
西北狼にはメンバーが7人いて、それぞれ西域埋蔵文化遺産の違法販売や違法薬物製造販売、武器取扱い、会計、医療、その他の役割を担っている。
そのトップである 古木岚(老大)は、そう。古蔺娜 の父親だ。演じるのはお馴染み 张志坚。
構成員は以下、老二、老三、… と続き七番目 七姑が潜入中の 林轲だ。彼女が裏切って相手方に付いているのかどうかを警察は把握できていない状況。
古蔺娜は幼い頃に父母は亡くなったと教えられ(名目上の)叔父に育てられている。もちろん実父が犯罪組織のボスだとは知らない。姉はいるが血縁関係については途中まで明確に描写されておらず、ほぼ天涯孤独の身の上だ。
その叔父、表向きの顔は地元で人気の事業家だが、裏の顔は組織の老二である。姉の音楽家の夫も裏社会の人間。
また老六こと医師の穆少白は 程樊の彼女 穆晓婉の父親。(犯罪組織は銃で撃たれたりするけど正規の病院には行けないから医師が必要なのね)その事情を子供心に薄々察知していた娘は父親と確執がある。
とまぁ、これでもかというくらい世界が狭い(笑) 関係性が凝縮しているので話がややこしいし、立場がそれぞれ微妙。
ただこれらは警察の威信をかけた作戦や攻防、犯罪組織内部の分裂や武器の隠し場所情報の争奪戦というメインプロットの中で徐々に明らかになってくること。勿論ドラマの面白さはその展開の中にこそにある。
だが、関係性が難解過ぎてそれらを十分に楽しむところまで行きつかないのが残念であった。
激しい銃撃戦やカーチェイス、アクションシーンも最近観た中では群を抜いてリアルで楽しめた。
出色の俳優たち
王子奇の銃の構え方が、何しろカッコいい! 激しいアクションと母親への想い溢れる演技もとてもよかったと思う。
苏晓彤 の無垢な魅力は本作でも効果的に発揮されていた。
西北狼の地下本部、各幹部が顔を揃える中、大ボスの娘として上座に座る絵面はなかなかの見もの!
ワイルドな男たちに囲まれた紅一点、文字通り赤い服を身に着ける姿は殺伐としたドラマの癒しでもあった。
楚一寒とのケミストリーもやはり最高だ。
老三の 老枪が倒れた後、沙小飞が新老三として代替わりする。彼を演じた 赵荀が大変印象的だった。複雑な生い立ちや彼女を想う哀しみは、悪人とはいえ心動かされるものがあり、他の演技も観てみたいと思った。
本部で作戦を取り仕切る 邰局長(杜源 演)の、難しい判断を迫られて人間味溢れるお芝居もよかった。
かなり辛い場面を経由して一応お話は完結する。
アクションシーンは見応えたっぷりだし、悪人含め登場人物はそれぞれ魅力的だった。
もう少し筋道が整理されていれば、かなり面白いドラマなっただろうと思う。
実は最後に気になる台詞がありまして。そして7人いる犯罪組織構成員の内 老五は名前しか出てきておらず… もしやあの人怪しい??
カップルもこれからというところで終わっていて、主演の 王子奇は微博でまた会える時まで~みたいなこと言ってるし、、これは続編の示唆なの?!とつい邪推してしまいます。(多分、黒白シリーズでまた、という意味かな)
でも余韻を残しておくのが花、かもしれませんね。
長文をお読みいただきありがとうございました!