読書ログ「他者と働く」を図解してみる

書籍との出会い

エムスリーの執行役員CTOである山崎さんの推薦図書「最難関のリーダーシップ」(ロナルド・A・ハイフェッツ著)がきっかけ。ハイフェッツが提唱した「適応課題」に対して、どう気づき、対処していくか、が論じられています。サブタイトルの「わかりあえなさ」から…ってフレーズが刺さったってのもあります。

本書の主題と適応課題とは

「適応課題」をいかに解くか、が本書の主題であると私は解釈しました。
そこで、適応課題について、簡単に触れておきます。

 適応課題とは、知識や技術だけでは一方的に解決ができない複雑な問題のことを言います。「既存の知識・方法で解決できる問題」以外の問題、とでもいうのでしょうか。

 具体的な例でいうと、「他部署に協力を依頼したけど、協力してくれない」といった類のものです。「仕事を頼まれたのだけれど、頭ではわかっていても、心がついていかず、乗り気しない」ということは、私もよく目にしますが、これも一例だと思います。

 こういうときって、何か相手側に協力をしたくない何らかの理由があることがほとんどです。それを理解しないまま、協力してくれるように、いくら自分達の正論を論理的に説明しても、ほとんど相手にとっては意味をなさないですし、相手は簡単に動いてくれませんよね。
 そのため、適応課題に立ち向かうには、この立場の違い(=ナラティブの溝)を認識したうえで、相手との関係性を改める必要がありますよっことが、まずは本書の最初の大切なポイントと思います。
 このことに気が付けただけでも読んでよかったなと思いました。

適応課題に対処するプロセス

 適応課題に対処するためには、相手の立場にも立って、考え、行動する、ということが必要になりますが、そのための具体的な手順として、4つのプロセスを踏んで進める必要がある、と述べられています。

 2~4はハイフェッツが提唱したもので、1の「準備」が著者の宇田川さんが追加した点です。
 確かに、そもそも相手と自分との間に溝があることにすら、気づいていないことってよくあるなと。

印象に残ったフレーズ

 たくさんあるのですが、最も私が印象に残っていたのが以下の一文でした。
 自分が提案した内容が、上司に受け入れられず、ありきたりな妥協案になってしまい、「うちの会社も大企業病だ」と愚痴をこぼしているシチュエーションに対しての一文。
 これは本当にあるあるでめちゃくちゃ刺さりました。

大企業病なのは、実は提案を妥協した側も同じであり、そこに加担していることに気がつく必要がある

他者と働く──「わかりあえなさ」から始める組織論 (NewsPicksパブリッシング)

最後に

 仕事に関しての本ですが、家庭においても考え方は一部通ずるものがありそうです。親には親の、子には子の、ナラティブがあるのだろうなと。それに気づかないまま、親の論理だけでいくら正論を述べても、きっと子どもとしては納得できないこともたくさんあるのかと反省。家族に対して、「私とそれの関係」になっていることは、あまり認めたくはありませんが。。。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。少しでも参考になった方は、「いいね」いただけると、喜びます。

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