株式会社YHTG

我々は従来のコンサルティングファームとは異なり、ブティックファームとして、経営者が直接…

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我々は従来のコンサルティングファームとは異なり、ブティックファームとして、経営者が直接クライアント様の課題を深堀りすることにより、本質的な課題をみつけ、それに対するアクションを提案することを目指しています。               https://yhtg.jp/

最近の記事

CVCの手引き~⑦「協業の推進」について~

今まで7回に分けてお話してきたCVCの手引きもいよいよ最終回です。 事業会社のCVCが、IVC(Independent VC)や、政府系VC、PEと根本的に異なる点は、新規事業を自ら興そうとしているという点です。すなわち戦略リターンが初期段階においては主目的であるという点にあります。事業会社が本業で稼いだ利益を、将来の新規事業育成のために社内のR&Dや設備投資に投資するように、外部の経営資源に投資して、協業を通して新規事業という新たな成長エンジンを新たに手に入れる事が目的で

    • 「CVCの手引き書」~⑥ソーシング強化~

      全部で7ポイントあるCVCの手引書の第6点目は、「ソーシングの強化」です。CVCにおけるソーシングとは、投資候補の間口を広げること、すなわち投資対象のスタートアップのカバー率を上げること、または、投資候補のロングリストを作成するという意味に近いでしょうか。 イメージとしては、英語では良くFunnelとか、パイプラインと呼ばれている、CVCの運営プロセスの中では、最初の情報の入り口の部分に相当します。Funnelは入り口は広く、出口であるDDや投資実行は狭くなっています。パイ

      • CVCの手引き~⑤人材・スキル強化~

        前回のNoteの記事「CVCの手引き~④事業部門の巻き込み~」では、事業会社のCVC活動に事業部を巻き込むためには、学習しながら進める組織学習を意識して進めることが大切だとお話しさせていただきました。そして、その同じ考え方で、CVC担当メンバーの人材・スキル強化ができると予告させていただきました。今回は、その人材・スキルに焦点を当てて説明をしたいと思います。 日本では、私もそうでしたが、クレイトン クリステンセンさんの「イノベーションのジレンマ」に引き続き、最近は、「両利き

        • CVCの手引き~④事業部門の巻き込み~

           今回の課題はなぜ検討する必要があるかというと、この記事のテーマであるCVCは、事業会社が主体的に運営するものだからです。事業会社のCVCの目的は、スタートアップ投資とオープンイノベーションによって、世の中にイノベーションや、新たな事業を興そうとしていることにあります。言い換えれば、主に財務リターンを目的としているファイナンシャル系のVCにとっては、あまり直接関係のない課題なのですが、CVCにとっては、事業会社の事業部門を巻き込んで、全社的な協力を得られないと、CVCの活動を

        CVCの手引き~⑦「協業の推進」について~

          CVCの手引き~③迅速な意思決定構造の設計~

          いよいよCVC推進の手引きの方法論に今回から入りますが、繰り返しになりますが、一番大切な本質論は、 ①と②で述べた「経営との握り」、「CVCが目指す目的」、すなわちあなたが何故CVCを推進しようとしているかです。これによって、意思決定構造の設計も変わってきます。 一般に大企業の意思決定は遅いから、スタートアップ投資には不向きだという方がいますが、本当にそうでしょうか? 迅速な意思決定をした結果、悲惨な結果になることもありますし、遅い意思決定をしたおかげで、状況がより明確にな

          CVCの手引き~③迅速な意思決定構造の設計~

          CVCの手引き~②目的に応じた投資方針の設定~

          前回に引き続き重要なポイントである②目的に応じた投資方針の設定についてお話させてください。 前々回お話した7つのポイントの中では、おそらく一番大事なポイントだと思います。「目的」を明確化することは、CVCに関係する全てのステークホルダーである、経営者、担当者、スタートアップ、投資家、顧客、社会をつなぐ目に見えないエネルギーとなります。 平たく言えば、何故CVCをするのかを明確にして関係者と握ることです。前回の「経営との握り」では、戦略リターンか、財務リターンか、その両方

          CVCの手引き~②目的に応じた投資方針の設定~

          CVCの手引き~①「経営との握り」について~

          前回「CVCの手引き」に関しての、7つの視点を紹介しました。今回はその中から最初に挙げた①「経営との握り」についてお話したいと思います。 ここでいう経営とは、事業会社のCVCの場合、経営者や役員会をさします。また、事業会社のCVCを立ち上げる際には、経営側から担当役員を指名してトップダウンで降りてくるときもあれば、担当者が部課長とともに経営や役員会へボトムアップで提案するケースがあると思います。 その事業会社の経営状態、経営環境、将来の経営戦略等により、それぞれCVCを始

          CVCの手引き~①「経営との握り」について~

          CVCの手引き書

          前回のNoteで予告させていただいた「CVCの手引き書」ですが、以下の経産省のURLにまだ全容が掲載されているので、是非ご参照いただきたい。https://www.meti.go.jp/policy/tech_promotion/venture/tebiki3.pdf 私はこの手引書を作成した委員の一人として、経産省よりは、世の中に知識や考え方を普及させるために、この資料を自由に活用させていただくことを了解していただいているので、今後数回に分けて現在でも参考になるポイントを

          日本型CVCプログラムによるイノベーション促進と産業育成の可能性

          前回のNoteでは「正しい選択と集中」のお話しをさせて頂きました。 さて、これが私達が広めようとしている日本型CVCプログラムの話しと、どう結び付くかですが、それをイノベーションの視点からこれから何回かに分けて、順次述べていきたいと思います。 まず、私達が提案している日本型CVCプログラムでは、大企業がスタートアップに対して、大企業が保有する技術や量産能力や、販売やマーケティングの能力を提供することで、スタートアップの成長とExitを促すことを推奨しています。その際の大企

          日本型CVCプログラムによるイノベーション促進と産業育成の可能性

          正しい選択と集中とは?

          前回のnoteの最後に、「幸い事業の黒字化を成し遂げることができました。」と結ばせていただきました。 それで今回は、ではなぜ黒字化できたのかを考えてみたいと思います。 私はある製品から撤退して、それを事業売却し、ある新製品に特化する戦略を採ったとお話しました。ですから、所謂「選択と集中」をしたわけです。 見込みのない製品や、赤字の製品から、撤退したから黒字化したのでしょうか?それとも見込みのある製品に集中したから黒字化したのでしょうか? 私が経験した会社だけではなく、

          正しい選択と集中とは?

          あなたの強みの見つけ方

          過去2回のnoteでは、企業の強みの見つけ方や、それらを俯瞰するSWOT分析で気をつけなければいけない、本当の強みの見つけ方の例を経験から述べさせていただきました。 今回は、それをもっと皆さんに身近な例で、お話ししてみようと思います。 もうかなり前ですが、私は当時担当していた事業部の黒字化のために、企画部長として商品の選択と集中を考えていました。そのなかでSWOT分析をした結果、半導体検査装置の品ぞろえの中で、日本では競合と善戦しつつも、海外では負けている商品と、まだ未完

          あなたの強みの見つけ方

          事業アライアンスやオープンイノベーションで大切なSWOT分析

          私がご支援している日本企業様の強みは、顧客企業様の研究開発に貢献する特殊な試験機にあり、アライアンスを仕掛けている英国企業は同業他社ですが、顧客企業の製造工程における試験機に強みがあります。したがってシナージーは、同一顧客企業でも、異なる部署にクロスセルできるという単純なモデルでした。 ところがいざ英国へ出張してアライアンス交渉が始まると、お互いの企業の文化や事業運営の仕方、考え方の違いに気づき、お互いの強みよりも、お互いが異なることに目が行ってしまい、強みよりも異なること

          事業アライアンスやオープンイノベーションで大切なSWOT分析

          企業の本当の強みを見つける

          企業のSWOT分析で大切なこと  大企業であれ中小企業であれ、スタートアップであれ、自社の経営戦略を決めるにあたっては、自社のSWOT分析をよく用いますが、SWOT分析の中でも実は一番大切なのに、良く分かっていないなと感じるのは、すなわち自社の強み分析だと思います。  自分のことは意外に自分ではよく分かっていないことが多く、友達や、他人や、会社であれば競合企業や、顧客に言われて初めて、自社の本当の強みに気づくことが多いです。 本当の強みって何でしょうか? それを皆さん

          企業の本当の強みを見つける