クーリエジャポン記事のミスリード「米国人の40%超が「東京五輪にまったく興味なし」 NBCの視聴者数はガタ落ち」を検証する
記事にはライターの意思が多分に含まれている
モノゴトの本質は自ら見極めましょう!という反面教師的良記事があったので記しておきます。
この記事どう感じましたか?東京五輪を否定的(ネガティブ)に報道するように読めたと思います。記事を読むのでは無く、記載されている数字だけを取り上げて考察すると、好意的(ポジティブ)に記事にもできる内容です。
検証1:タイトルによる印象づけ
まず、タイトルをみていきましょう。
米国人の40%超が「東京五輪にまったく興味なし」
これ、ウラを返すと、60%の人がなんらかの興味があるということです。なので、
米国人の60%近くが「東京五輪に何らかの興味がある」
も成り立つはずです。同じ数字なのに印象まったく違いますよね。
検証2:開会式視聴者数のマジック
さらにこの記事の後半に記載されている開会式の過去のオリンピックとの視聴数比較にも問題があります。
ロンドン(2012) 4070万人
リオ(2016) 2650万人
東京(2021) 1670万人
確かにがっつりさがっているようにみえます。しかし、リオの時点でロンドンの約35パーセント減(2650万÷4070万)、東京はリオの約37パーセント減(1670万÷2650万)。減少率はほとんど変化が無いのです。グラフにしてみて、ロンドン・リオの結果からまっすぐ線を引けば、実際の東京の結果とほぼ同じ数字になります。
このリオの際は、米国とほぼ同じタイムゾーンなのでリアルタイムに観やすい、今ほど動画コンテンツの多様化(Netflix等)も無く競合が限られている、などの条件を考え、さらに、コロナ禍、1年延期、である点も考慮すれば、1670万人という結果は健闘したとは表現しにくいですが、決して、予想よりも大幅に下回ったわけではなく、ある程度想定内の数字ではないでしょうか。
記事の中で、NBC関係者は予想を下回ったとコメントしているようですが、それは、予想の考え方に問題があったといわざるおえません。逆に、もっと視聴されると思っていた理由が知りたいくらい。
言葉に惑わせられず数字から本質を自ら考えましょう
伝えたい事はそういうことです。クーリエジャポンの記事が間違っているわけではありません。数字は正しいのだと思います(ウラはとっていないですが)。しかし、文章については、「そういう意見もあるね」程度に理解し、自ら考える事が大事です。
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